第3話 問、遭難しました 答え、空を飛びましょう
ステータスを確認してチートじみた力を与えられていた事に驚きはしたものの、森から出るため再び行動を再開した私は、その後順調に森を抜け出す事に成功!!
なんて事はなく私は元気に今も森の中をさ迷い続けていた。
いや確かにね『森で遭難とか流石にないよね?』って心の中で思ったりしたよ?
だけどさぁ?普通こうも見事にフラグになって回収するとかある?
自分の事なのに、ここまで来ると寧ろ清々しいとまで思ったよ。
まぁ、思いはしても私が困っている事には依然変わりはないんだけどねぇ。
そう本当に、本っ当~~!!!に困った事にあれから結構な時間を私はさぁ森の中をさ迷い続けたんだよ!!!
一向に景色に変化はなくて代りにわかった事と言えば私がビビって勘違いしてた狂暴な魔物、あれがわんさか居るかもというのがなかったこと。
その代わりとして、今の所そこまで強くない魔物や普通の動物が森の中で生息しているのを見た。
やっぱ前世で見た漫画やラノベみたいに強力な力を持つ個体ってのは数が少ないのかもしれない。
そのため「あれ?そこまで強くなさそう?な魔物はいても化け物染みた魔物ってそんないない感じ?」と気付いた時は、とても喜ばしかった。
ん?チート吸血鬼なんだから化け物染みた魔物程度軽く捻り潰せばいいだろだって?
こちらとら生まれてから半日もたってない生まれたてホヤホヤのバブちゃんぞ!!
赤ちゃんが化け物なんかと戦えるわけないだろ!!!
まぁ前世の記憶に前世と同じ16歳くらいの見た目で言えばバブちゃんとは言えないけど。
まあ、冗談はおいといて
いくら私がチート積んでても転生したばかりのレベル1、魔法もスキルもまだ良く理解してない今の私じゃこの世界で何年も生きてる相手に勝つなんて流石に不可能なのだ。
私はあくまでチートじみた力を与えて貰えただけで無敵の力を与えられた訳ではないのだから。
あ、だけど絶対に勝てないとは言わないよ?
レベルがちゃんと上がればきっと勝てるだろうし。
ん?フラグったような気が?気のせいかな?
あ、話が逸れたね本題に戻らないと。
話を戻すと、結局の所私は今現在自分が森のどの辺りにいるのかがまったくもってわからない!!
「はぁ~本当、女神様は何を考えて私をこんな森の奥に転生させたんだろ?こんなんついさっき?までJKだった少女にして良い所業じゃないってば」
私は、そんな愚痴を口にしながら今だ森から出られる感じがゼロ~なのに落ち込み頭を抱える。
「はぁ、空から森の周りを見る事が出来ればなぁ~どの方角に行けば良いとかわかるんだけど」
まぁ、そんな事出きるわけ……あ
「出来るんじゃね?今の私ならワンチャン」
そうじゃん、私は今吸血鬼なんだ。
女神様の言ってた戦闘特化種族の話が本当なら空を飛ぶ事は最悪出来なくてもその辺の大木からジャンプして飛べば周りを見まわせるんじゃ!!
「うん!これなら行けるかもしれない。そうと決まればまず空を飛べるのかの検証だけど、スキルに空が飛べる効果のモノは……ないね」
ステータスを開いて一通り目を通したが空中を飛んだり翼を生やすなどの効果が有るものは当然ながらなかった。
まぁ、ステータスの確認の時に見てるからわかってた事だけど。
それでも唯一可能性があるとすれば、血液支配と風魔法のこの2つだろうか。
血液支配は前に見た通り自身の血液を自在に操る事が可能だ。なら、血液で疑似翼を作り出して飛ぶなども出来るかもしれない。
そして次
風魔法、みんなご存じ風を魔力で生み出して攻撃、防御等々行える魔法だ。この風を上手く操作出来れば空中にしばらく浮けるかもしれない。
私は、早速この2つのスキルをそれぞれ試すことにした。
てっきり索敵スキルの時みたいに発動に苦戦するかと思ったけど、索敵スキルほど苦戦せずに使えた。
まず血液支配を試してみた。
体内の血液を背中から翼の形にして呼び出す?みたいなイメージでやってみたけど、スキルLv1では、翼みたいな繊細なモノを作り出すほど力を発揮はしなかった。
使ってみた感じ、今の私では剣みたいな簡単な武器を作るのが限界だろう。
だけど、スキルLvが上がって精度が上がれば翼を作って飛ぶことも夢ではないかもしれない。
目指せ大空の世界へ!!
それで、次は風魔法
魔法なんて当然ながら使ったことがない。
なので、苦戦するかな?と思ったんだけどね?
そこは流石チート称号と言うべきか、私がイメージした通りに風が巻き起こり、思わず「うわあぁ~~~!!」と子供みたいにはしゃいでしまった。
うん、我ながらはしゃぎすぎたと途中で気付いて真っ赤になったよ。
めっちゃ恥ずかしい、誰にも見られていなかったのがせめてもの救いだよ。
まぁ、私の恥ずかしい瞬間の事については置いといて、これなら空中に浮かぶ事も出来るだろうと早速、飛べるかを試してみた。
例えるなら、モン○ター○ンターのアマ○マガ○チと同じ感じかな?
あんな感じで身体に風を纏わせて浮かぶ感じで魔法を使った。
するとこれが上手くいって地面からフワフワと浮く事に成功した!!
まぁ、見た目はフワフワ浮いてるけど目の前や背後を白銀に光る髪の毛がバッサバサに暴れてるけど。
あ、言ってなかったけど転生したこの身体の髪の毛だけどね?
なんと!白に近い銀髪、白銀?って言うのかな?
長さが前世と同じ腰上くらいの長髪だったから目覚めて直ぐに気付いたからその時はめっちゃ驚いたよ。
『うわ!?銀髪になってる!!』てさ。
だけどこれがさぁ、太陽の光に反射した時キラキラして綺麗なんだよね~。
まぁ、私の髪の毛の話はおいといて。
「……めっちゃ髪の毛が暴れる。まぁ、それは良いや出力を上げればこのまま高所まで上がれるかな?」
そのまま、アカリは纏う風を調整しながら高所へ昇っていくのだった。
私は、前方に広がる光景に圧倒されていた。
視界いっぱいに広がる緑溢れる森、そして前方に見える雄大な山々の織り成す生命力溢れる大自然。
前世で景色が綺麗な自然をテーマにした映像を見た時、私はそんな感動する事はなかったけど、今目の前に広がる雄大な自然に私は少なくない感動を覚えていた。
「凄い。こんな綺麗な景色初めて見た。ってそうじゃない。え~と街か何かないかなぁ」
転生してから良く見える目を凝らし森の外を見回しながら街などの目印になるものを探す。
やっぱ前世よりも目が良くなってるよね?この高さなのに森の中まで良く見えるや。
それに半日近く?歩きづめなのにバテてないし、何だかんだこの身体も凄いよね?
そんな事を思いながらも周りを眺めていると、遠方に街と思われる物を見つけた。
「あ、あった!!ちょっと遠いけどあれ街だよね?やっとゴールって呼べる物が見えたよ~~!!」
アカリは、ようやく目指すべき場所が見えた事に喜びながら街を目指そうと地面に降りようとした時、視界で何かが動いた気がして動きを止める。
今何か動いてた?
動物か何かにしては大きかった様な、それに1体だけじゃなくて何体か居たような?
「いったい何が動いてたんだろう?そこそこ大きかったから魔物か何かかな?」
だとしたらいやだなぁ、見えた辺り街と同じ方向だったし
私は、そんな事を思いながら動いたモノが見えた辺りへ目を凝らす。
すると豚の様な頭をした赤茶けた体色の姿をした魔物が2体いた。
「チラッと見えたのはあの魔物か結構大きいなぁ。もしかしてオークかな?、2メールは余裕でありそう、ん?何かコイツら動きがおかしくない?、、、え?」
私は、発見した魔物をオーク?かなと思い観察してみるとオーク?の動きがおかしい事に気付き更に目を凝らした。
すると先程までは気付かなかったある事に気付き唖然とする。
え?何で?どうしてこんな森の奥に
「どうして女の子がでこんな所にいるの?」
そこには魔物から必死で逃げている女の子の姿があった。
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