第19話 魔法の指導をしてみよう


ルーデンス家の庭、その一角。

俺がよく剣を振り回している場所であり、少し歩いた先には俺とエリーセが庭デートをしている場所である。

使用人たちが綺麗に整えているおかげで、花が綺麗に咲いているんだよな。

ルフェイともよく行く。


…しかし今回は魔法を使うために来た。

それも俺の特訓の為じゃない。三人の指導を行うためだ。


「それじゃあ、早速指導を開始させてもらうね。――まずは、俺の授業を受けるにあたって守ってもらいたい事…というか、やってもらわなきゃいけない事があるから、ソレをやってもらおうかな」

「やってもらわなきゃいけない事、ですか?」

「うん。まぁ、そんな難しい事じゃないよ。ただ魔力をずっと垂れ流しにしていればいいだけ」


俺が今も行っている事だ。

それでも誰も気づいていないのは、魔力を『隠す』ようにしているからなんだけど…そこは多分、魔法の指導中に解説すると思うから後に回そうか。


「今まではこうやって隠してたけど、ほら。今なら俺からどんな感じに魔力が流れてるかわかるでしょ?まだこのレベルまでできなくてもいいから、こんな感じで垂れ流し状態を維持できるように心掛けてね」

「…い、いや。そんなのすぐに魔力枯渇状態に陥るだけでは?」

「そうだよ?」


何を言っているんだろうかケイ兄さんは。

魔力を枯渇させなきゃ、絶対量が増えるわけないじゃん。


魔力は筋肉と同じで、適度に痛めつけなければ成長は得られない。

支障をきたさない程度の遊びでは、上を目指すことなんて不可能でしかないのだ。


そして、魔力は筋肉よりも成長が難しい。

筋肉は適性な運動量で構わないが、魔力は常に限界まで消耗しなくてはならない。

ほんの少しでも残っていれば、絶対量が増えることは無いのだ。


俺も昔は勘違いしててなぁ…数年間無駄にした。

限界を超え、自らの体力すらも削るくらいに魔力を生成、放出し続けない限りその先は望めない。

それは、自分の手だけで気づくにはかなりの時間を要してしまう。


因みに気づかなかったとしても、魔力は肉体の成長と共に増加していくので、生まれた時から変わらない、という人はいない。


「あのね兄さん。僕は何も死ねって言ってるわけじゃないんだ。だってこれ、やろうと思えば誰だってやれることだし。確かに最初の内は辛いかもしれないし、挫折するかもしれない…けど、俺みたいに最後まで続けてたら――ほら」


兄さん達に見えるように、約50メートル四方の立方体を複数生成する。

無論この最中でも魔力を放出し続けているのは変わりないため、実質的な魔力の消費量は、普通の人からすれば恐ろしく、馬鹿みたいなレベルである。


俺じゃなきゃ干上がっちまうな。


「す、すごい…!このサイズを作れるだけでも気の遠くなるような魔力量が必要だろうに、それを複数…?しかもどれにも形に歪みが見られないって…」

「とんでもねぇ魔力コントロール力…一体何したらこんなにできるようになるんだよ…」

「これでも放出してる魔力の量が変わってる様子もないし……ね、ねぇアレイ。今の魔力の量ってどれくらい?」

「大体六億かな」

「「「億!!?」」」


驚くだろう驚くだろう。

他の世界の住民と比較したら実はそれほど多いわけではないが、それでもこの世界なら化け物クラスだ。


記録に残っている物だと、人間種の最大魔力量は一万。

最も魔力を保有できる種族として有名な魔族(ヴァルミオンも魔族だ)ですら、この世界では四万程度。


因みに別の世界では人間種だろうが魔族だろうが何だろうが、異能タレントだったり後天的な何かだったりで無尽蔵になっているという事もあるそうだ。

先は長いな、うん。


「さ、取り敢えずやってみてよ。少しずつでいいから、常に魔力を消費する感覚を味わってみて」


手で促すと、三人とも渋々といった様子で魔力を流し出し始めた。

よしよし。これで授業参加資格はオーケーとしよう。


「じゃあ、そのまま解説聴いてね。まずは魔力の消費量について。……ねぇ、ファルブ兄さん。ちょっとステータスを見せてもらってもいい?」

「い、良いですけど…情報看破の水晶玉、持ってるんですか?」

「いや。俺の異能タレントで、相手のステータスを確認できるんですよ」


一々許可を取る必要も無いんだが、別に敵対している相手というわけでも無ければ、礼儀として聞くことにしている。


さ、許可も降りたし『全ては所詮遊戯に等しくゲーム!ゲーム!ゲーム!』を使うとしますかね。




【ファルブ・ルーデンス/年齢:14/男】

『各種能力値』

・魔力→32




あ、ステータス全部出すより必要な分だけ見たほうが早いからこうしただけで、別に俺の異能が弱体化したとかじゃ無いからな。

やろうと思えばもう少し詳細な物も出てくるけど…今回大事なのはこれだけだし。


「これが兄さんの魔力の量。同年代の人よりちょっと多いくらいかな」

「…32も有れば十分な気もするけど…」

「ルフェイ姉さん。アレイさんの六億と比べたらはるかに少ないだろ?」

「落ち着いてケイ。魔力量が四桁あるだけでも伝説級なんだよ?」


四桁あれば伝説なのは、それこそ俺が前世生きていた世界だろう。

そもそも魔法が使えるだけでも眉唾物だったけど。


しかし32…氷球に換算すると大体六回分。

今までの戦闘を振り返ってみてもこのくらいの魔力量で…妥当と言えば妥当だろうな。

流石に中級魔法を乱発するような真似はできない、はっきり言って少なすぎる量だ。


ファルブ兄さんでこれなら、ケイ兄さんは目も当てられない量なんだろうなぁ…きっと。


「じゃあ、ちょっと『氷球アイス・ボール』を使ってみてよ」

「魔力は垂れ流したまま、ですか」

「当然。俺だって、兄さん達と戦う時は基本垂れ流しっぱなしだったしね」


流石に本気で戦わないといけないような時が来たらそんな真似はしないけどさ。


なんだか大きく反応して見せることすら億劫だと言いたげな様子になった兄さんだったが、魔法を行使する事に関しては別段否定的では無かった。


右手を前に突き出し、俺に向かって氷球を放ってくる。

――へぇ、反抗心って訳ね。


「『多重反転歪曲空間バニッシュメント・フィールド』」


俺の眼前に、魔力の壁が出現する。

その壁に氷球が衝突した瞬間、爆発音のような物を響かせて、氷球は


多重反転歪曲空間バニッシュメント・フィールド』。

反転魔法の最上級に当たる魔法。

殆どあの空間でのステータスに近しい状態になっている俺だからこそ使える魔法。


その効果は、反転に反転を繰り返す特殊な空間を出現させ、そこに触れた物を全て消滅させるという物。

消費魔力も、勿論(この世界の人にとっては)バカげた物。


要するに、兄さんのあの程度の魔法に使うような魔法ではないって事だ。

今回使ったのは、名前と効果のインパクトで反抗する意思を奪う為だし。


…あれ?最初に俺に講師を頼んできたのってあっちの方じゃ…


「まったく。子供じゃないんだから、そんな魔法が通用しないってことくらい学んでよね」

「注意するのはそこですか……はい、ごめんなさい」

「わかればよろしい。――じゃ、魔法を使った兄さんのステータス…魔力量を確認しようか」


そう言って、再び俺はウィンドウを表示して見せた。




【ファルブ・ルーデンス/年齢:14/男】

『各種能力値』

・魔力→25/32




数字の所に、/が入っているのが見えるだろう。

これは総量と現在の量を示していて、本来消費する量に対して自分がどれくらい消費したのかを知る事ができるのだ。


よくわからないだろうが、それは今から説明するので安心してくれ。


「兄さんの魔力は、しっかり消費されてるよね。――よし、早速問題。ここまでの流れで、おかしな所は何処でしょう?…あ、俺の魔力量とか使った魔法は無しね。普通の人にできる事じゃないから」

「普通の人にはできないんだ…―――もしかして、魔力をずっと流してたはずなのに、魔法を使うまで変化が無かった所?」

「お、一つ目の正解だね。意外と知られていない事で、魔法として発動しない限りは、魔力は小数点以下しか消費されなくって…いや、加減なしのバカみたいな量を放出したら話は別だけど、普通はただ垂れ流してるだけだとステータスとしての数値に変化は出ないんだ。――他には?」


俺の質問に、三人は首を傾げるばかり。

…それほど時間をかけてもアレだし、さっさと言ってしまおうか。


「正解は、本来『氷球アイス・ボール』の魔力消費量として定義されているのが5なのに対し、兄さんは7を消費してしまっていた、という事だね。――さ、これがなんでだかわかる人は?」

「…魔力を垂れ流しにしていたから、ではないですよね?」

「それはまぁ、あまり関係ないかな。垂れ流すのに注力し過ぎていて…ってのもあるかもだけど。今回は違う答えが欲しいかなー」


再びのシンキングタイム。

無論正解にたどり着ける者はいない。


頃合いを見計らい、答えを発表する。


「答えは、『魔力消費効率が悪い』だね」

「魔力消費効率?」


オウム返しして来るケイ兄さんに、こちらは首肯を返す。


その通り。

魔力を扱う際には、必ずこれが問題に上がってくるのだ。


その名の通り魔力の消費の効率が云々、という奴なのだが…これが良いと悪いとではかなり魔力消費に差が出てくる。

俺は昔はとてつもなく悪かったので、支配魔法一発で気絶しかけるレベルだった。


「魔法を使う時に、一般的に定義されている消費魔力量からどれくらい節約して使えるかの指標…とでも思ってもらえばいいかな?この効率が良いと、ファイア・ボールなんてステータスの数値を変動させずに打ち続ける事だって可能になるんだよ」


逆に魔力消費効率が酷く悪ければ、たかがファイア・ボールで『混沌をも統べし権能ケイオス・エクスシア』並の魔力消費をしてしまう事もある。

世間一般に魔法の才能が無い、とされる人は、えてして魔力消費効率の向上を怠っている傾向にあるのだ。


俺の解説に、真剣な表情をしてメモを取る三人。

これだけ熱心な生徒なら、教師も楽しく授業ができるだろうな。


前世の俺は、授業中に寝るような真似はしなくとも、常に真面目に話を聞いていたかと言われればそういうわけでも無かったけど。


「しばらくの間は、三人とも魔力消費効率の向上を目指してもらうつもりだからそのつもりで。今日は座学だけど、明日からは本格的な実践だから、覚悟しておいてね」

「…えっと、厳しいんですか?」

「うん。厳しいよ」


別に天才型だから、説明の解読が難しいぞと言っているわけではない。

寧ろ俺ほど凡才なヤツはそんなに居ない…あぁいや、本当にごくありふれてるな俺。


ただ、かつて幼馴染…天下原勇希に勉強を教えてくれとせがまれて教師役をやってやった時にはかなり不評だった。

説明はわかりやすいのに、要求値が高いとのこと。


俺は別に、俺レベルでもできるような楽な範囲しか要求していないんだけどな。


「次は、得意な魔法の分野についてだね。これがわかっていないと、属性魔法も効果半減といって差し支えないレベルだし」

「分野?」

「そう。こればっかりは人それぞれだから、そう簡単に変わる物じゃないって覚えといてね。――例えばほら、攻撃が得意、防御が得意、回復が得意…とか。そういう話」


攻撃的な魔法を扱うのが性に合っているのに無理矢理回復系の魔法を使っても、まともに傷が癒せるわけが無い、って事だな。


しかも攻撃系ってわかっただけでもまだ足りない。

その中からさらに、瞬間火力に賭けるタイプか継続的なダメージを与えるのが得意なタイプか…等、もっと細かくなるのである。


まぁ、それを見極めるのは『全ては所詮遊戯に等しくゲーム!ゲーム!ゲーム!』のおかげで簡単にできる。

早速三人の物を表示してあげようじゃないか。




【ケイ・ルーデンス/年齢:15/男】

『得意系統』

土・鉱石属性反撃系防御魔法




【ルフェイ・モラゲン/年齢:15/女】

『得意系統』

火・熱気属性範囲妨害魔法




【ファルブ・ルーデンス/年齢:14/男】

『得意系統』

水・氷属性単体攻撃魔法

光・聖域属性味方支援魔法




【アレイスター・ルーデンス/年齢:10/男】

『得意系統』

闇・支配属性支配魔法

闇・簒奪属性簒奪魔法

闇・反転属性反転魔法




俺のやつも含めてみたが、ざっとこんな感じだ。

ケイ兄さんは反撃系防御…所謂カウンター効果を持った防御が得意らしい。

尖った岩で自らを守り、相手の攻撃を防ぐ…とか?


ルフェイは熱気…炎等を直接出すわけではないが、熱さで相手を圧倒できるタイプ。

その中でも範囲妨害に秀でていると言う事は…例えば、敵陣の気温を急上昇させるとか、そういう事ができるって訳だな。


ファルブ兄さんは…言わなくても大丈夫だろう。

何度か彼の魔法を使っての戦闘はあったし、ソレを見たら大体わかる。


――そして俺。

俺の使える魔法は攻撃とか防御とかの縛りが無い為、その属性の魔法に当たる魔法は全て使えると言う事になっているのだ。


この話を聞いて「ちゃんとチートじゃん。才能込みで」と思ったそこの君。

大いに間違っているぞ。


確かに俺は物理的に気が遠くなるような時間を鍛錬に充てて十全に使えるようになったが、元々この三つは優れてはいるものの扱えない欠陥魔法でしかない。

十全に扱える人間は、俺以外に居ないとされているくらいに。

無論魔力を無尽蔵に持っていたり、ヴァルミオンレベルの奴が一般人として弱者枠に収まっているような世界も含めて、だ。


本来一生かかっても初級レベルすら会得できないような代物を、実践で扱えるレベルにするとか…俺くらい適度に精神崩壊してる奴じゃなきゃ無理なんだわ。

俺でも結構辛かったんだわ。自ら望んだ道なんだけども。


「俺のも居れちゃったけど、ざっとこんな感じかな。ファルブ兄さんはわかって使ってたみたいだけど…二人はどう?」

「――いや、アレイのその…支配とか、簒奪とか、反転とかの方が驚きを全部持っていてる…と、思う」

「あー。ごめんね、一応参考までにって思ったんだけど」

「…俺の魔法が霞んで見えますね…」

「け、ケイ兄さん。違うよほら、得手不得手って奴だよ。たまたま兄さんは直接戦闘の方にだけ才能があっただけで」


やや落ち込んでいる様子の兄さんを宥めつつ、自分の物も一緒に並べてしまった事を後悔する。


まさかここまで落ち込まれるとは思わなかった。

なんだか申し訳ない事をした。


因みにルフェイも呆然としている。

彼女の方は落胆等ではないのだろうが、それでもやはり無駄に見せてしまったなぁという後悔は感じざるを得なかった。


「――と、取り合えず、今日はこれくらいにしておこう。明日から本格的に実践と座学とを行っていくから、本当に覚悟しておいてね。特にルフェイ」

「わ、私?」

「体力が持つかどうか正直わからないよ」

「…だ、大丈夫…だと、思う」


本当ぉ?

まぁ、明日になればわかるか。


…さ。今日は終わりな訳だし、少し剣を振ってから部屋に戻ろっかなー。


そんな事を考えた矢先、兄さん達から声をかけられた。


「…あの、アレイさん。一つ頼みがあるんですが…」

「ん、何?」

「俺達に…さっきの、支配魔法とか簒奪魔法とか…一回ずつでもいいんで、見せて欲しいんです」

「――あー…なるほど。もし俺が本当に扱えているんだとしたら、そりゃ御伽噺から出てきたような物だもんね」


俺の言葉に、大仰に頷く二人。

見れば、ルフェイすらも目を輝かせている。


ここまで期待されて裏切るような真似はできまい。

所詮一回ずつだ。やってもいいだろう。


「じゃあ、まずは支配魔法から行くよ。――『混沌をも統べし権能ケイオス・エクスシア』」

『呼ばれて飛び出てサポーターッ!脳内秘書、スマ子推参!』


魔法を発動すると同時、頭の中に声が響く。

スマ子の声だ。可愛らしい声と設定した甲斐があったといえよう。


少々ウザい気もするが。


全てがその動きを止め、俺にあらゆる権限が握られた世界で、俺含めた四人だけが先程と変わらぬように動いている。


今回は、三人の行動等の権利を自由にしたのだ。


「これは、世界の全てを支配する魔法。全ての権利権限が俺の物になって、自由に扱えるようになる魔法だよ」

「す、すげぇ…!!」

「こんな魔法、現実にあり得ていいのか…!?」

「ははは、感動してもらえて何よりだよ。この魔法、脳にかかる負荷が尋常じゃないからさ。使うだけでも一苦労なんだよね」

『まっ、そこはアップデートとメンテナンスを繰り返し中のスマ子ちゃんによって緩和されつつありますがねっ!待っててくださいよマスター。いつかマスターに負担をかけずにこの魔法を発動できるようにして差し上げますので!』

「期待してるよ」

「…?今、誰に話しかけたの?」

「あー、こっちの話」


魔法を解除し、ルフェイの質問をはぐらかす。

スマ子は『では、記憶整理業務に戻りますねっ!』と言っていなくなった。


…さ、次は簒奪魔法だな。


「次は簒奪魔法だけど…そうだ、ケイ兄さん。部屋に大事な物とかあるでしょ?移動しても問題ない物で、何か一つ言ってもらっていい?」

「う、んー……そう、ですね…日記、とか?」

「よし。ならソレを盗もう奪おうか。―――『盗賊王の無法伝説・第二章アイテム・テイク』!」


目標となる物を定め、魔法を使う。

すると、何も持っていなかったはずの俺の左手に、一冊の本が握られた。


タイトルの所には、ケイの日記と拙い文字で書かれている。

使い込まれている様子からも、これが幼少期の時から使われているのが見て取れた。


「はい、これだよね?」

「そ、そうです。これが俺の日記…です」

「そんな戦々恐々とする必要もないと思うんだけどな……まぁいいや。最後は反転魔法――」


そこまで言いかけて、ふと冷静になる。


反転魔法は、外的要因が無ければあまりに地味。

その癖影響力は支配魔法の上を行くともいえる物だ。


そんなの、軽いノリで使っていいのか?

ヴァルミオンとの戦いですら、中級のアレしか使わないくらいの物だぞ?


「…ごめん。反転魔法はまた今度ね」

「え、どうして?」

「そうですよ!どうせなら、反転魔法もみたいなーって…」

「流石に無理。見た目地味な奴か、支配魔法以上のやばいのしかないんだよね」


純粋に疑問だ、と言いたげな二人に事情を軽く説明し、そのままお開きにすることを告げる。


今日はもう、剣を振るのもやめよう。

なんでかとっても疲れた…のは明らかに支配魔法を使ったからか。


とにかく部屋に戻って、エリーセとイチャイチャしたりクチャクチャしたりしよう。


過去一番の疲労感を感じつつも、それを拭い去るような楽しみを脳裏で浮かべ、俺は部屋へと戻るのだった。

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