ようこそバーチャルの世界へ
Facebookが仮想空間「メタバース」を提供するというニュースを、皆さんご存知でしょうか。
リモート会議などが叫ばれている今、テレビ電話の通信ではなく、VRゴーグルを使ってバーチャル世界にあるアバターを動かし、そこで会議などを行えるそうです。
「いよいよバーチャルが現実世界にとって変わりそうだね」という私に、母は、
「そうねえ……私は出来そうにないわねえ……」と言いました。
TwitterもYouTubeも使える母ですが、ゲームはほぼ一切したことないので、こういう世界には疎かったのです。
「出来るようになりたい?」と私が尋ねると、「勉強しておいた方がいいわよねえ」と母。
会議だけでなく、買い物もバーチャルで出来るようになるかもしれない(Amazonとか通販サイトとかはよく使う)、と考える母に、私はあるものを買いました。
そう。
天下無双の「あつ森」を!!!
アバター動かしてバーチャル世界を歩き回るなんて、このゲーム以外ないでしょ!! ってことで、買いました。VRゴーグルは使わないけれど、初心者の母はまずアバターを動かすという経験をしてないので、手触りとしてはピッタリ!
母が「いやでも遊ばなくなったらお金が無駄に」と言うので「早めのクリスマスじゃぁぁぁ!」とこじつけてプレゼントしました。
色々コントローラーやゲームをテレビに繋げる方法を説明して、
いざ、「あつ森」へ!
しかし、そこには様々な困難が我々を待ち受けていました。
まず、
行きたい方向に全然進まない!!
木にしょっちゅうぶつかる母のアバター!
向きたい方向に向こうとして、180度回転しちゃう母のアバター!
中々建物に入れない母のアバター!!
「そっちじゃないいいい!」と叫びながら行う母。
そして迷子になる母のアバター……。
意味もなく右往左往し、真っ直ぐ進まない母のアバターを見て、私は思った。
これ、しょっちゅう母さんから聞かされる、3歳の頃の私だ……。
どうしてそっち行く。なんでそっち向く。あと真っ直ぐ歩いて危ないから。ほら木にぶつかったでしょ!
初めては皆3歳児なのかもしれないと思った。
あと割と、「躓くとこそこかー!」っていう展開もあって、自分が当たり前に操作できるものが、皆にとって出来るわけじゃないんだなあ、って気付かされました。
勿論私にも初めてがあったわけで、それについては忘れるものですが、やはり母を見ていると、ゲーム機の操作が1から覚えるとなると、結構複雑なんですね。「皆に優しいデジタルデザインって難しいんだなあ」とつくづく思いました。
私の場合は色んなデジタルを触って育ったため、「このボタンかな?」と手探りで押せるのですか、母から上の世代は「触ったら機械が壊れるから触らない」になってしまうようです。
これじゃスマホとか教えるの難しい。おばあちゃんなんて「ボタン押して」って言うと「丸くないじゃない 」って返すし(ボタン=丸いものというインプットがされてるらしい……)。
デジタル教える人は、上手い若い人だけでなくて、こないだまで初心者だった年配の方を一人入れると、みんなが分かりやすい説明になるんじゃないかなって思いました。
そんな母ですが、今ではすっかり一人でゲームをテレビに繋げられるようになりました。
アバターの動きはそろそろ五歳児ぐらいに繰り上げられそうです。
ってか、あつ森の世界観からして皆幼稚園児・保育園児になりそうだよね……。(無闇矢鱈と走り始める)
追伸
テレビ用にリモコンをコントローラー風にした時、それを人生で初めて持った母の言葉は、
「人間工学にかなってる」でした。
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