「誰そ彼」のあれこれ

 怪異と数の話。

 実は節分は、豆で追い払うのではなく、鬼が豆を数える習性があるため、撒くことで気を紛らわせている(だから『豆を投げる』ではなく『豆を撒く 』)。


 ……とネットで拾ったのですが、出典はわかりません()。

 ただ、籠の目の数を数えているうちに鬼が満足する話は、一部ですがあるようです(基本的には籠の目を嫌うとありますが)。あと鰯の頭は臭うから嫌うとか、そういうのはニンニクの臭いを嫌う吸血鬼とよく似ていると指摘されています(『しばわんこの和のこころ 3』)。割と、吸血鬼と日本の鬼って似ているのかも。

 なお、作中で出てきたプチプチは完全なる私のオリジナルなので悪しからず!!(笑)





 北部九州の妖怪。

 久留米市は主に河童の「九千坊」の話が有名で、なんと大陸から一族9千人を引き連れてやって来ました。熊本の加藤清正に負けて久留米市に移住、その後水天宮のお守り役となったそうです。言わば、「移民」の人々が妖怪として受け継がれたのでしょう。

 更に敗れた平家の女性が河童の親分になった「海御前」(こちらは宗像市の方が有名)、菅原道真公に懲らしめられたorもしくは彼を助けた河童(恐らく原住民の比喩)のお話など、色んな種類の河童が登場します。河童を語るにおいて、九州は外せません。


 また、『夜窓鬼談』という本において、柳川ではこんなお話があるそうな(前読んだ本なのでちょっとうろ覚えです)。




 ある日、武家の妻が茶屋で休憩していたところ、美少年からナンパされました。それを断る妻ですが、美少年はしつこい。いらつく妻は、さらに手荒く断る。

 なんとか家に帰り、トイレに行く妻。



 すると、おしりをぬめりと撫でるなにかがありました。

 なんと、トイレから手が伸びていたのです!


 妻は、とっさに懐刀でその腕を斬りました(強い)。


 しかしその腕は、なんと水かきがついていたのです。

 夜、茶屋でしつこくナンパしてきた美少年が妻のところにやって来ます。美少年は泣きながら言いました。「私の腕を返してください」。美少年の正体は河童でした。

 妻が、「切った腕なんて返したところでどーすんの」と聞くと、河童は「自分の薬で繋げられます」と回答。

 そこで妻は、カッパの妙薬を貰う代わりに、腕を返したそうです。



 子供だろうがイケメンだろうが許されない。セクハラや痴漢は腕一本切り落とされて当然、というお話です(違う)。

 ちなみにこの妻が使っていたトイレは、川の上にありました。そのため、トイレ=河童というイメージも強かったそうな。母によると、40年前のボットン式トイレにも河童の怪談があったそうです。


 なお、今回の更新を読んだ方はピンと来たかもしれませんが、兵ちゃんと呼ばれたエロガッパは上記の伝説から着想を得たキャラクターです(兵ちゃんは『兵主部』という九州の河童の別名からとっています)。

 別に柳川だけでなく、割と全国各地にある話らしく、どんだけ尻を撫でるんだと思いました。

 皆さんが知っている河童は「尻子玉」というよく分からんものを抜くイメージだと思うのですが、かつての河童は尻そのものを抜くヤバい奴だったそうです。宗像市の垂見峠の由来は、「999個の人間の尻が詰められた河童の樽を見たから→樽見峠→垂見峠」なんだとか。ホラー!







 八女の話。

 卑弥呼の墓と呼ばれる墓もありますが、実は一瞬首都になりかけたことがあります。マジで。

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