歌は 難しい

「ねー、お母さん」

「んー?」


 お互いスマホを見ながら、私は母に尋ねた。







「『梅の花

 一輪咲いても

 梅は梅』

 って、どう思う?」




 ブッハァァァ!!

 暫く母、大爆笑。落ち着こうとしても笑いが止まらない状態に。私も思わず笑いが移ってしまう。

 ようやく落ち着いた時に、母は「季語が重なっていると思います」と震えながら言った。

 そしてスマホを見て、また大爆笑。


「笑いすぎてwww 涙がスマホに落ちとるwww」


 そこまで笑うか。



 ちなみにこの歌は、土方歳三の俳句です。新撰組の鬼の副隊長と呼ばれてた人が、これを書いたのか……。

 大体サブカルチャーでは「下手すぎ」「ギャグか」と取り扱われる歌ですが、私はこの歌割と好きです。技術的に上手いか下手かは、……「梅が三つありますね? 文字数17字しかないのに無駄づかいです」としか言いようがないけど(夏井いつき先生風)。私も風流な俳句はあまり得意ではなかったし(文芸部でギャグみたいな俳句を出してた)。



追伸

 後で母は、


「咲いてなくても梅だよね」


 と言った。

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