冷茶

 切子ガラスの急須には、冷蔵庫の中でゆっくりと水だしされた緑茶。

 胴を伝う玉汗を、そっと人差し指でぬぐう。ひんやりとした感触とともに、手のべたべたしたものから開放される。そのまま髪をかきあげ、首筋にあてる。微かな風を感じて、心地よくなる。

 急須とセットの茶碗には、白いご飯とくだいた氷。

 それから、ダイヤモンドのようなカットガラスの小鉢にそれぞれ分けた、焼いたシャケ、きざみ海苔、ゴマ、生姜。

 それらをちまちまと赤い箸でつまんで乗せる。


 藤で編まれた弦を掴み、こぼれないようにつまみを抑えて、冷茶を注ぐ。

 にごった緑茶は透明な口から少しずつ注がれると、色が薄く透明になった。若草色となって白いご飯の下に沈む。

 たっぷり冷茶が注がれた茶碗の中で、きざみ海苔やゴマ、小さな氷がぷかぷか浮かんだ。水面からはみ出るごはんは、まるで島のようだ。


 パキリ……パキリ……とくだける氷の音と、縁側に吊るした風鈴の音。

 唇からそっと離し、茶碗を膝の上に乗せる。

 ガラスの透明な影は、初夏の太陽と風によって、スカートの上をゆらゆら泳いでいた。



    □


 情景描写を書きたい、と思って書くと、

「それに付随するストーリー書かなきゃ」と思って、

 結局ストーリーに力を割かれて描写がテキトー……、なんてことがしょっちゅうです。

 作中で夏を描きたいなー、と思った時には冬だったり、きれいな写真を見ても「いや感触とか音とか忘れたな……夏に考えるか」なんて思って、そのまま忘れてしまうという。

「いとおかし! 2」では、これから使うかもしれない描写の資料としてこれからちまちま書いていきたいなー、と思います。


 で、こんなんで読む人想像出来るかなって問題がありますな()

 くどすぎると読まれないし、でも情報だけ載せるのもつまらないし……。

 皆様、もし「冷茶」を描写するなら、どんな風に描きますか?

 コメント欄に書くのもよし、一作書き上げたら読みに行きたいです。


追伸

 さっそくお星さまをありがとうございます!

 これからまたよろしくです!

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