第11話 任務!夢工場を止めろ

「今からお前さんの手錠の鍵を持っているガギと交渉する。

 あいつが欲しいのは夢工場の夢だ。

 工場長の協力で夢工場を引き渡す。

 お前さんの手錠の鍵と交換だ。


 ワシが奴から鍵を受け取っている間に

 お前さんは、工場に忍び込み、

 工場の機械を一時的に止めてほしい。

 機械はいっぱいあるが、

 歯車がついている機械ならどれでもいい。

 歯車にこのガムをくっつけるだけでいいんだ。」


「トウマ君名誉ある任務だ!しかも簡単!心配ご無用!」

 横からレムが口をはさむ。


 レムは嬉しそうだった。

 工場が壊れた瞬間に自分も忍びこもうという魂胆だ。

 夢の食べ放題。夢ビュッフェだ。


「本当なら貴様におしつけてやりたいんだがな。

 レムは指名手配されていて

 工場のセキュリティーシステムが顔を覚えている。

 そのためにレムは工場に近づくことができない。

 工場に入れるのはお前さんだけなんだ。」


 パケジはどこかに電話をする。交渉をしているようだ。

「もしもし。…そうだ。交換だ。手錠の鍵。工場でどうだ?

 工場でできる夢をお前にくれてやる。」


 話し終わると、トウマたちの方をむいて言った。

「ガギをおびき寄せるぞ。捕まえに行こう!」




 パトカーでガギと待ち合わせで指定した

 工場に行くことになった。


 運転席にパケジが、後部座席にトウマが乗った。

 助手席にレムが乗ろうとすると、パケジに止められた。


「おっと、貴様はおよびじゃないぜ。

 警察署にわざわざ夢ドロボーが来てくれたんだ。

 逃がすかよ。」


「だから夢ドロボーじゃない!美しょ…」

 レムが話している途中で後ろから攻撃された。


 レムは合気道の要領で勢いのまま相手を投げ飛ばす。

 レムを襲った警官はパトカーの屋根に背中をぶつける。


 約20人の警官が銃を構えながらレムの周りを取り囲む。


「逃すんじゃないぞ!!」

 パケジは部下たちに命じると、アクセルを踏んで出発した。


「夢ドロボー、レムもこれで終わりだな!

 ガーハッハッハ。」


 豪快に笑いながらパトカーを飛ばす。

 トウマは窓にへばりついてレムを見送った。

(レムが危ない!)


 後方からレムの大きな声がした。

「心配ご無用!トウマ君は君ができることをやりたまえ。」

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