無条件に、君が好きだった

@Konane

私はいつだって。

 振り返ると、私の後ろには誰も居なかった。

そんな事分かり切っていたのに、どうしてこんなにも胸が苦しいんだろう。


私はいつだって、失ってからその大切さに気付く人だった。

“次こそは” そう思うのに、私はやっぱり気付けない。

だから決まって、私の大切な人は、もう会えない人ばかりだ。


会えない人達を想って、過去を嘆いて。

そんな事の繰り返しが、私の日常だった。


馬鹿な私。

強がって、孤独を身にまとって、人から愛される機会を自分から跳ね除けてしまった。


辛くて、淋しくて、どうしようもない時、ふと頭に思い浮かぶ人が、自分にとって紛れもない大切な人だ。

頭に思い浮かぶのなら、ためらうことなく、今すぐ家を飛び出して、会いに行くべきだ。

きっとその人は、理由を聞かなくとも、あなたを抱きしめてくれる。

理由なんか、あとでいい。

大事なのは、無条件に抱きしめてくれる人なんだ。


弱さを見せる事が出来たら、その人はきっとあなたにとって大切な人になる。

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