神の仕事
俺は、ヘファイストの案内の元、主神の間にやってきた。
まあ、ほぼ強制で連れてこられたみたいなものだがな。
「オーディン、連れてきたぞ」
「ああ、すまぬなヘファイストス。そして、ようこそ、新たな神よ。そなたの名を聞こう。」
「刀神 暁、まだ何も成し遂げていない神とは言いずらい存在だ」
「ほお、そなたは何をもって神だろ感じるのか、我に教えよ」
「……いや、わからない」
「は?」
「俺には何が神らしいのかわからない。だから、何をしたらいいか教えて欲しい‼」
「よかろう。そんなもの一つしかないと思ったけどな」
「ん?オーディンさん、なんか口調が!!」
えっ、いきなりこの人っ若返ったんですけど⁉
「は?え?待ったこの状況に頭が追い付ていない……」
「すまない、やはり、体は若いころのほうが楽だ。さて、口調も昔みたいに堅苦しいものから、楽な口調にしていいか?」
「あ、ええ問題ないと思います……」
「もう、マジで面倒なんだぞヘファイストス、年季の入りすぎた体を保持するの‼」
「まあいいじゃないかオーディン、ゼウスが見たら笑ってたよ、きっと」
「ふざけるなっ‼僕は若くてカッコカワイイ美少年なんだぞっ‼」
「うるせぇ!!私より美形の状態で出会って欲しくない!!」
「あのさヘファイスト、お前まずは鏡見て来い、そして自分がどの立場にいるのかわかるのか?」
「鍛治の神、全ての神話の武器を創った神。そういえば、あんたのグングニルも、私の作品だったな~、へし折ってやろうか?」
「……すまない、僕の負けだ。だから、グングニルだけは許してくれ」
「いいだろう、私は器が大きい女神だからな。ところで、話さないでいいのか?」
「チっ‼まあいいや、とりあえず暁っ‼」
「は、はいっ‼」
「お前に主審として仕事を与える、お前には色々な世界の転移者、転生者、そして、禁忌を犯した者を選別し、生かすか殺すか決める、極めて重要な仕事を与える‼」
「はっ⁉そんな無茶な‼」
「無茶?神に無理も無茶もないだろ?ていうよりも、神だから死なないからっ、ハッハッハ~」
「な、なんですかそのギャグ」
「神ジョークだっ‼」
「は、はあ……」
「ともかく、お前にはチーターどもの選別を行うのが、神としての仕事だっ‼」
「チーター?なんですかそれ?動物?」
「はぁ、そこの説明からか……」
「そこは私が説明するよ。暁、チーターっていうのはその世界において反則級の能力や魔法、身体能力を持っているクソ野郎どものことだ」
「クソ野郎どもって、ひどい言われようですね」
「いやいや、あいつらはクソだぞ‼大体、その世界を救うためにチート能力を与えたのに、そいつらの怠慢のせいで、救える世界も救えない結末になるんだよっ‼」
「なら、いっそのこと、そいつらまとめて切り伏せてしまったほうがいいのでは……」
「お前もなかなかヤバイ性格してるんだな……」
「こいつは、もしかしたら邪神になるのでは……」
「二方とも、何言ってるんですか?」
「ともかく、お前は人として感情を理解する必要性があるな。本来であれば、こんなことしないのだが……」
「おいオーディン、もしかしてアレをするのか⁉」
「ああ、さて暁よ、お前の神器には本来人の魂を入れたりしないのだが、お前に人の感情をわかってもらうためにも、人間の魂を核として入れることにする」
「え⁉どういうことだ?」
「つまり、お前の元々の器に人間の魂を入れるということだ‼」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ⁉」
「まあ、そうなるよな。でも、お前には必要なことだ。諦めろ」
「いやいや、俺の器に、人間の魂が入るわけないだろ‼」
「まあ、その辺は心配するな。私が調整するよ」
「マジですか⁉」
「当たり前だろ、私を誰だと思っている」
「確かに、あんたは鍛冶の神だったな」
「ともかく、お前にはまずパートナーとなる魂を選んでもらわないとな。たぶん、相性がいいのは日本人だよな」
そう言うと、オーディンは、どこからか白い靄のかかった黒い魂を持ってきた。
「この子なんてどうかな?この子は、少し癖はある子だけど、いい子ではあるよ」
「は、はあ……」
「さて、ここからは私の仕事だな。ところで、神器の名前はどうするのか聞いていなかったな、ほら、決めろ、すぐ決めろ、今すぐ決めろ‼」
「いや、今すぐに決めろと言われても……」
ふと脳内をある春の日を思い出した。
それはよく晴れた春の日、血生臭い戦場から離れ、どこかの桜の下の茶店で見た、桜の美しさを思い出した。
「
「桜花か、いい名だ。お前には、ネーミングセンスがあるような気がするよ。じゃあヘファイストス、始めてくれ」
「ああ、
死と生のはざまで迷えるの者よ、我が名はへファイス、わが呼び声に答え、この器に宿りたまえ 」
その瞬間、あたりが神々しく輝き始め、そして、オーディンの持っていた魂が、俺の神器に宿った。
「よし、これで魂を器に埋め込んだから、後は魂が神器になじむのを待つだけ」
「具体的にはどのくらい……ってうわぁっ⁉」
その瞬間、俺の刀が、一人の少女に変わった。
その見た目は、14歳くらいの黒い髪、少し茶色がかった瞳、肌少し白いが、桜色と黄緑色の着物が、彼女の美しさをなお一層引き立てていた。
「はじめましてご主人さま。私のことは、
「……」
「どうしたのですか、暁さま」
「い、いや、この状況に頭が付いてきていなくてさ……」
「なるほど、ですが安心してください、古参神である、オーディンさまやヘファイストスさまも追いついていないようです。」
「え、そうなの⁉」
「はい。あと、私のしゃべり方などに関して、何かあるのでしたら、素直におっしゃってください。すぐに直します」
「そ、そうだな、う~ん、ちょっとお前さん堅いな、もう少し柔らかく、あと、別に俺のことは、別に様付けとかしなくていいから。」
「じゃあ、なんとお呼びしたら……」
「とりあえず、さま付けは禁止だから、好きに呼ぶといいよ。」
「わかりました、今後は暁さんと呼ぶことにします。」
「ああ、よろしく頼むよ、桜。ところで、今ってどういう状況?」
「はあ、あなたって人は……」
こうして俺は、
_____________________________
(あとがき)
皆さんこんにちは、汐風波沙です。
いつも読んでくださって、ありがとうございます。
皆さんが読んでくださることで、頑張ろうとなっています。
なので、良かったら作品の感想やレビュー、応援をいただけるととても頑張ろうと思えるので、よろしくお願いします!!
今後は、週一で自分の作品を1作更新していきたいと考えています。
更新する作品については、自分のTwitterを見ていただけると、更新する前に発表するので、良かったらTwitterのフォローもよろしくお願いします。
今後とも、この作品、そして自分の投稿している作品をよろしくお願いします!
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