ボランティア
あの子とは、インターネットの趣味のサイトで出会いました。
出会い系?いえいえ、そんな俗物的な呼称のもんじゃないですよ。
私は今でこそ知識は身についていますが、あの頃はまだそんな色々手を出して見て回れるほど機械に慣れていませんでしたから。
お恥ずかしい話、アナログ人間って奴でしたよ。歳を感じましたねぇ。
あぁでも、そう。話を戻しますと。
私、趣味が、まぁ…地味なんですがね。株で稼いだ小金で、色々とボランティアをすることでして。
ボランティアといっても、大したあれではなくて施設や個人への投資程度ですけれど。
彼は若干十代ながら苦労した子で。聞けば精神的に多少の疾患があるんだと。
写真も送ってくれたんですが、まぁホントに無知でしたから見るまでにはちょっと時間が掛かりました。添付ファイルをダウンロード、なんてどこの未知の言語状態でしたから。いやぁ、本当に今思えば成長したと思いますよ私は。ふふ。
…と、スミマセンまた話が逸れてしまいましたね。
それで後々見た写真がまた、男の子にこういうことを言ったら失礼かなぁとか、「この変態!」なァんて言われちゃ形無しなんですけどね。えぇ、可愛かったんですよ。アイドルにいてもいいんじゃないのかな?ってくらいに。
でも彼はそんな話こそ失礼になっちゃう位に余り人目は好きじゃないって言うんで。
だから初めてあった時も個室でしたよ。言い方が疚しい?嫌だなぁ、疚しいなんて一切。ただ寂しがりやでもあるっていうからそれから時々は同じ個室で会いはしましたよ?
こうなっては言ってもいいのかは図りかねますが、虐待の痕、って言うんですか。あれを見せてもらったりとか、それくらいで。
あっちはどう思ったかは判りませんが、ただただ私は可哀想で可哀想で。
だから彼の寂しさを少しでも和らげられればと私の家に最後の方は招待しましたよ。
私はそれでも仕事があったので、どうしようかと悩んだ末になけなしの知識でカメラを設置はしましたけどね。だって、何かあったら、可哀想じゃないですか。プライベートはありましたよ、ちゃんと。気をつけたつもりでも何かあったらいけないと想って簡単な、えっと、言い方は悪いですが拘束具はつけさせて貰ったりもしましたけどね。拘束具とは言ってもちゃんとチェーンの長さは調節してトイレとか冷蔵庫に届くようにはしていましたよ?
それでも心苦しくて私が帰った時には私が全部してあげていましたし…。だって、可哀想じゃないですか。
でも彼は、外が怖いんじゃないかと想ったら出してあげるのももう忍びなくて。
その頃にはもう自分の子供みたいに想っていましたからね。だったらいくらなんでも思春期だからってことも考慮して少しその、手伝いもしてあげましたよ。処理だとかその、まぁ同じ男ですから解るじゃないですか。
ああでもそう、そうです。決して私は自分の欲望を満たした事なんて一切。
手伝って、最後まで見てあげただけですよ。
だから、貴方方の言うような事は一切。
誘拐とか、監禁だとか、陵辱っ…?!そんなああぁ、嫌だ、そんな物騒な。冗談じゃありません。
私はただ、擁護して、世話してあげていただけですよ。
私は彼の、忠犬ののようなものなんですから。
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