R307~
砂画礫士
まぶたの裏側に深夜 そっと飲みかけだった歪な琥珀の炭酸から 爆ぜるように ねがい、泡沫ばかりが漏れだしていく。
その店主は星屑のしぐさで わたしを抓って、青磁の椀の欠片を外すと そのスキンヘッドの合間から撫でこむように 鵬翼のタクトが活ける。感嘆ともため息とも捕らえる。その揺籃から 取り上げた 一歩手前を すらすらと書き起こしていく。
いつも通りの夢に 五番街のアクマで あったような、なかったような カナヘビみたいな 少なさで。
あくびと名づけられた
つたなさを私に差し出して微笑んで見せた。
釣られた様に一方を振り向けば、蓮の開花から広がるその咆哮が 必ずしも、死を引き起こすのです。
選ばれなかった偶然が昼も夜も更けて見えるだけを 航海という名に充たされないうちに、継ぎ足していく かかりは、頑固でも儚く脆いうたごえで響かせ、なんだって詠う時代だったと まま彗星にのって現れるのに、何故 今になって 不可思議に溺れていくのか。
この蛟は 沐浴を繰り返し 真新しくうまれゆくのだと、焚き付けた我が身の 無事を祈り、創られた千羽鶴の はばたきを見守っている。
やさしく流れ去る川面に その実は懐かれすぎてしまった。
砕けそうでふにゃけちまった 手負いから もうすぐに 新たな出会いが裂けていくもの。
未来が分岐していく
偶然に選ばれた少年達が、ひとなつの終わりに綴じた銀影印画。
冊子の影から もうすぐ育まれていく。泣いても笑っても終わり無い 彼方モノガタリ、創り出された てのひらのちいさなこと、そのはじまりの泪の跡に。
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