錆匙
この時代を鵜呑みにする幻覚を
餓鬼のように喰らっていく。
わたしはわたしをみうしないながら
わたしというかたちをにんしきしていく、
ふみつけられたものは、そのうちのカタワに過ぎない。
発条仕掛けのときを舞わす逝かれた突起が未だに、
薫風とともに走り去ります。
よほど追いつかれたように想われますが、
そちらには求める者はなにもありませんでした。
塩加減の足りない鍋をひっかき、
万有引力を持って、
ただ心だけが腐って凹凸から溢れてしまう、
ひととして、
これ以上ない罪を内服して着せ、
ちょうどつついて壊したのは私でしょうに。
生んだものは案外、無邪気だなんて言い訳、
そこかしこにおちているもの。
あらそいなんて従順、
目くばせも転じた算段の下で、
口腔と焼き出される呂律に乗る、
馬鹿馬鹿しい降灰を集めて、
もし
どうか、
あちらがわに、
晒すユートピアに、
プレタポルテの私を両替して張りぼてる、
死者の圀に助けを求めるなんて、
かなり我儘も滅びてしまった、
回避した雑魚たちの文化。
とても怨まれてもそれでよかった、
もしもなすがままにと化されて、
偶に生き継いだ未来に決して、
何を想えばため息で逃せるのだろう。
たとえ、遊んであげたかった水槽の彗星たち
青い礫だとタイムカプセルに保管して
一生忘れてしまいたい記憶の欠片たち、
ただの砕石でもそれは点された炎となった、
私にとって、
彼方には必要のない価値を
産み付けられた、追憶の大海が、
じつは、
ただの流しに溺れる泡沫の静止画だったとしても。
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