淡い狭間
そのもの、首をくくるのは補足 道なき未知であり
ひとまかせに足を絡めるのは茨野薔薇であって然り
雑に解けるはずの寂びた楔は、強固な地盤に通され
そしてそこにおったつのはただの
雑草畑の朽ちた死体の影、木霊の精を捕まえ喰らい
すでに最終列車の汽笛が火の粉を牽い手招いている
昔の古傷を疼かせる また、繰り返されるあしたへ
これでは進まない 己をかき消すように稜線と燃え
おのずから現れる暈かもわからない延びた影を繕う
あれ以上は無駄なものになるというのに、蓋をして
これはなんのために、どこにあるのだ。と鞭を打つ
終りを目指すレールがひたすら らくに向かいゆく
福音が喪われる 成すが去れるがまま有るべき処で。
そんな気がして深く頷いてしまった、しがらみ故に
そう信じてみる。このカゼノネを嗅いではならない、
膣の盃のみかけ月の胚に咥え撥ねた煤蛾で繭を鋳る
純白な
咽び泣く陽炎でしかなかった燻るだけ塵と化すもの
あなたの夢もわたしの幻もほろ苦く痛々しい
甘いだけの泥濘を敷き詰め飲み下して侍らせている
温かい暗がりに転がる腐りかけた羽根と切り落とし
これに手負い曝け出された塒に抱かれ安穏な聖櫃へ
永遠をのぞく私たちは母なる眠りに苛まれるという
幸福ともささめき尽きて寂する、燐光の焼き付きと
奔り続ける烽火を掲げ刻みつけた躯 風の音と踊る
迂回路の亀裂、屍と徒花が粛々と飛び込むは無軌道
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