輝点

 このメを潰されたらもう、

  春の訪れをしとめ損ない

   虐待された塩梅がまた 今を連れ去り、

    私 何もかもが嘘になる。


       腐りかけた果実の 

           熟れた豊満も

              触れて嗄れた禁忌も

                 芯に蠢く芽生えも

  渇いた羽根はせつせつと詠み下るのでしょう


猥談の回廊に三丹、帆掛け舟と放して 

邪な哀を 罵声で且つ、玲瓏たる廃に燃やして

頭の禿げた白鳥が 気化するとき。

突き上げる脈動がかえりつくまでの誓いに架けて

軽快に思いつく 

            燕、

      一番星が率いた 

とこしえのきりかけを 目先に光らせては

   蒼白い光を宿し ちょっとだけ 惹かれ魅せて

   為らば、唇を併せた ハモニカ。

     明瞭な シュプレヒコール


さんざめく うねりに まかれて、感覚は想像により培われた

                  かえってくるのか

                  韻(コダマ)たちよ

 斑紋に伝染る 祖のキミと おやすみと、

              あれが嘶きと燐光か。

       至高の苑、狂った塩梅がしならす、

            それにて嘆きの残滓だろうが


       硝子の欠片に滲んだ彩が、

        予定調和によって 

      爪弾かれた 高鳴りを偽装した


それでも 問うのだろう。


  いつかの死に際にほかならず、

どこか必ず還るものでしか、

奪われるはときと 

 いかされることが こんなにも


               満ち溢れているのだから

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