ジュエル装備を破壊される

「ランバート、後はお願いします!」


 サピィが、高次元世界に潜り込むところで、戦闘が始まる。


「させるか!」


 クリムに取り憑いているファウストゥスが、発砲した。

 俺は、銃弾を弾き飛ばす。


「おらあ! 【ディメンション・セイバー】!」


 相手の足を止めるため、俺は剣を振るう。衝撃波を、クリムの足元へと飛ばした。

 クリムの銃撃が、俺の衝撃波を散らす。二発目を放ち、俺の心臓を狙った。


「ぬうおおおおらああ!」


 銃撃に負けない速度で、俺は衝撃波を乱射する。


「ムダなことを、何度やっても同じだ!」


 そうでもない。銃撃を反らせればいいんだ。その間に、距離を詰めることができれば。

 腹への一撃と眉間への発砲を、確実に受け流す。


「ちい!」


 銃が通じないならと、クリムが武器を変えた。質量のある光線剣を手に、俺と切り合う。


『星』のジュエルと融合した黒曜石のカタナは、クリムとの接近戦にも耐えうる。


「なんと。いかような金属も切り裂くレジェンダリの剣だぞ!?」


「これが、フィーンド・ジュエルの力だ。レジェンダリすら上回る。だが、本当に強いのは、サピィの意志だ!」


 俺は、クリムを突き飛ばす。


「もうよせ、ファウストゥス。お前は身体を失った。決着はもうついているだろ? クリムから出て行け!」


「そういわれて、出ていくと思うのか? 息子の身体は本来、私のものだ。彼は私のスペアなのだからな」


「クリムは自我を持った。お前の支配は受けない!」


「どうかな? ロクに攻撃できない貴様なんぞに、我がクローンの攻撃は避けられまい!」


 ファウストゥスが、俺に切りかかった。

 クリムの動きをトレスしたファウストゥスの攻撃に、俺は防戦一方になる。


「【ディメンション・クロー】!」


 俺は、衝撃波をカタナ自体に帯びさせて、リーチを伸ばす。


「【ワールウインド】!」


 だが、クリムの回転斬りによって衝撃波を消滅させられた。


「くっ! これは、デーニッツの」


 過去に戦った、【散骨のデーニッツ】の技で、反撃をされる。

 小細工は、通じないか。


「フィーンドジュエルに頼った戦いでは、私に追いつくことなどできんよ!」


 俺が身につけているジュエル装備も、次々と破壊される。ジュエルを狙って攻撃されて、装備の効果がだんだんと薄れていった。


「さあ、【秘宝殺しレア・ブレイク】のスキルを発動してみろ。腕ごと斬り捨ててくれる!」


 ファウストゥスが、俺を挑発する。


 俺は応じない。秘宝殺しでは、ファウストぅスまでは倒せない。できるのは、サピィだけだ。


「サムライと言えど、しょせんはウィザード! ハンター最強誇るクリム・エアハートの戦闘力を上回ることはできん」


 カタナが、弾かれてしまう。


「死ね!」


 すべてのジュエル装備を失った俺に、ファストゥスが剣を振るった。


「……なに!?」


 俺は、ファウストゥスの剣を受け止める。


 素手で。


「自分の手に、【ディメンションクロー】を発動しただと!?」

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