【小話あり】うそ

恭平は、一瞬、戸惑った・・・。

さて、どう答えたものか?


恭平の前には、明日香が、見上げるように立っている。

明日香とは、まだ、付き合い始めたばかり。

まだ、お互いのことをよくわかっていない。

だから、聞かれて当然なのだ。

べつに・・・普通に答えてもいいのだが・・・。


・・・・


昔のこと? そんなのは忘れてしまったよ

ボクは キミにうそをつく


ほんとは 忘れてなんかない

でも キミが求めてるような話はない

ただ 平々凡々 がっかりさせるだけ


だから うそをついた

ボクは キミに 今のボクを知ってほしいから


いずれ 本当のことを話す時が来るだろう


今のボクに 満足してくれれば

昔のボクが 平々凡々でも

キミに 捨てられることはないだろう


そう 思いながら


・・・・


あれから、1年がたった。

ボクたちは、まだ付き合っている。

お互いのことも、だいぶ分かってきた・・・。


今日、ボクは、明日香に昔のことを話そうと思う。

なんとなく、「もういい・・・」って言われる気がするけども・・・。

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