【小話あり】ツイッターぶるうす

彼の名は、自称ラッパー『黒坊主』。

彼は、最近ツイッターを始めた。

自分のソウルを140字に込め、いくつもツイートしたのだが、ひとつも「いいね」をもらっていない。

彼は、一人悲しく、ラップを始めた。


・・・・


だれか 掘り起こしてくれ

おれを 掘り起こしてくれ

このままじゃ 埋もれちまうよ


二度と 日の目が 見られなくなる

誰にも 気づいちゃもらえねえ


クソみたいな ツイート

そいつは おれのこころ なんだ


きんだと思ってた おれのこころ

ただの砂粒だった


だれか 掘り起こしてくれ

おれを 掘り起こしてくれ

このままじゃ 埋もれちまうよ


はやく おれを 見つけておくれよ


・・・・


黒坊主の前に、いつのまにか一人の男が立っていた。

ラップが終わるとともに、拍手をする。

そして、手を差し伸べて、言うのだった。


「私も・・・いまだに・・・『いいね』をもらったことがないんだ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る