完結しました!

水原麻以

完結しました!

小説の完結は醍醐味だ。最終話を書き上げて投稿ボタンを押す。「ポチっと」この瞬間が快感だ。

新着ページと完結済みページに踊る「完結済み」の文字。見るだけでうっとりする。

俺の作品が居並ぶ長編どもと共にある。なんて壮観なんだろう。この瞬間に「小説を書いて良かった~」と心底感じる。

キンキンに冷えたビールジョッキを呷る爽快さだ。

そして新連載の英気を養うのだ。

だが、俺には困ったことがあった。完結予定の作品がないのだ。

作品を完結させようにも今さっき完結させたところだ。

「新作を投稿する前に完結済みさせる方法はないのだろうか」



新連載の最初から完結させる

これこそ俺が目指す方向性である。

だが、それはどうしても難しいだろう。

「カクヨムに新着の作品を投稿する」の方が簡単に行ってしまう。自分でも矛盾することは分かっている。

ではどうすれば良いのか。自分で考える。

俺はネット小説の作家だ。

「ネット小説創作者」になる。

小説を書いている人たちには、その世界には「ファンタジー」があって、「剣と魔法のファンタジー」があると言われた。

だが、ファンタジーを書いている人にもいろいろな魅力がある。「異世界転生」「異世界転移物」「異世界転移物の異世界ファンタジー」などがいろいろあるのではないかと思っている。

そういった事を考えながらネット小説創作のプロトタイプを書いて行ってみようと思う。

「自分の創作で何を書こうか」

「誰と誰の関係で何を書こうか」

俺には、考えたことが無い。

ただ「自分」の創作のプロトタイプを作ろうとそういう意識をしてみた。

だが、創作で何を書こうか?

自分の中に浮かんだアイデアを形にする。

そんな、何かを作りたいと思った。そのためのツールがある。

そうです。「なろう」の「コンセプト」機能から作ってみよう。

俺が小説を書く目的。それは「誰にも理解されない作品を書いてみること」だ。

俺は、何かを新しく作りたいという欲求が止まらない。

その欲求を満たすべく「なろう」のコンセプトを使ってコンテストの募集企画を立てた。

そして、応募した。

なろうやカクヨムに新着作品を投稿する。

応募した作品の中に「なろう」のコンセプトが載っていたのである。

それが、「カクヨム」に掲載された。

カクヨム。

これだ。

そう、俺は自分の創作で誰かに認めてもらいたいという欲求に駆られているのだ。

俺は、新着の応募作品とカクヨムコンテストの募集企画の応募用チラシを使って小説を書く。

そして、そのチラシを元にコンテストに応募する。

俺は自分の作品がコンテストの対象になるか不安だった。

カクヨムコンテストで公開されるかどうかはわからなかったが、応募しなかった。

そうしたら、予想通り俺の作品が賞を受賞したようだった。

俺は思った。

俺の描いた作品が「なろう」のコンセプトを使って「評価」されるのか、それとも単なる「創作」なのかの見極め方は分からなかった。

俺にはその「作品」を書けるのかどうかも分からなかったのだ。

しかし、俺はその「作品」と自分の書いた「作品」がどう違うのか、少しだけ確信した。本当に自分の作品が評価されないのかどうか。

俺は、なろうコンテストの応募用チラシを元に、作品名を決めるために「なろう」のコンセプトでサイトを作った。

コンテストを見つけて、作品をエントリーする。

エントリーした作品は、実際にこのサイトに掲載することができた。

なろうのコンセプト通り文字数を少し多めにしたりした。

実際に小説を書いてみようと思ったが、その感覚ではどうやって書いていいのか分からなかった。

それに、自分で物語を書くのは初めてだった。なんか、ドキドキするし、ワクワクする。

もしかしたら、俺はこんな風な才能がないのかもしれない。

「カクヨム」は、「なろう」とは違う。

なろうでのコンテストの応募作品を見て、「なろう」のコンセプトを使って作った作品だったのかもしれない。

もしそうなら、俺はきっと「なろう」と違う人間になっているのかもしれない。

俺の書いた小説は、このサイトに掲載された。

俺は少しだけワクワクしていた。

そのワクワクの気持ちとは裏腹に、書いてみたら自分は「こんな俺」だった。

俺は「なろう」の世界に入ってカクヨムのコンセプトを使った。


カク」

読むのには迷わなかったです。

「つくる」 「つくる」 「つくる」

「つくる」

「なろう」よりも簡単な言葉を使う必要があったけど、何も難しい言葉を使わずに楽々コンテストに参加できた。

「なろう」のコンセプトで作った作品は、カクヨムコンテストで受賞した。


俺の中で、「カクヨム」のコンセプトは俺が書いたことがない『俺が書いた作品』を書いてみたいという思いのようだった。


俺はカクヨムを使って、自分の作品を評価してもらった。

初めて読んで、面白いよ、と褒めてもらったのがカクヨムだった。

俺は本当に『俺が書いた作品』が評価されているのか不安になった。


作品の読みやすさやコメントを読んで、『俺が伝えたいこと』とか、『俺が心掛けていること』とかを書かれているのだろうかと不安になった。

その不安な気持ちを消すため、俺は色々なことを書いてみようと思った。

「カク」

読みました。

「つくる」 「つくる」

私は心の中で、お世話になった方に感謝しています。

私は小説家に、夢を語る作品を書いても、いいのですか。

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完結しました! 水原麻以 @maimizuhara

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