第12話

「師匠!」

孤面の一部が欠け、血を流す彼女のために、氷のドームを出現させる。ここは御神木の根本にある神社への道。商店街を抜けて、いつもは立ち入り禁止の聖域だ。

いつもと様子が違うのは、普段の見張りも、今日のために配置された魔法使いも軒並み倒されていたというところだ。2人の敵によって。まるで待ち構えていたかのように、魔法騎士の上に座っていた彼らは、いきなり襲いかかってきた。

「あたしはアクノソシキ『秋のさち』」

一人は、小学生くらいの子ども。杖を持っている様子はないが、とんでもないバカ力の持ち主だった。

「オレハアクノソシキ『フユノダイショウグン』」

もう1人は鎧武者の大男。太刀を振り回してくる。

「ここから先は通さないよ。お姉ちゃん達」


「くっ」

敵の猛攻をギリギリのところで食い止める。

「突き立て、離れろ!!ハリネズミ!」

かおりがドームからトゲを生やすが、大男は意に介さずにそのまま間合いをつめる。相手の鎧武者は太刀が振り下ろしたため、とっさにさくらはかおりの服を引っ張り、自分の後ろに隠れさせる。一瞬遅れれば、彼女のいた場所は太刀によって斬り伏せられていただろう。

「…狐火っ」

「させないよっ」

反撃のために炎弾を飛ばすが、子どもの方の拳が、その魔法を砕く。

「そこをどきやがれ。氷鳥」

今度はかおりが氷の鳥を飛ばすが、大男がその攻撃の真正面に立ち両手を広げて防ぐ。

「…オカエリイタダコウ」

「あぁそうだな。ダイショウグンの旦那。半人前はそこで、寝てな」

拳同士をぶつけて、不適に笑う。

「ギアシステム1(ファースト)。セーのっ!!ダイショウグンアタック!!」

大男を殴り飛ばしてきた。





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魔法少女ほのか~中学1年生編 エピソード1 記憶の魔女〜 お花畑ラブ子 @sonic0227

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