取り敢えず、彼は貴方達の呼ぶ『雄っぱいごりら』という名前ではないです。

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 人族ヒューマンは他の種族と比べ特徴すべき特筆を持たないが、全てのステータスが均等に上がりやすく、総合的なステータス合計値は全種族中トップである。――――――――――――――――――――――――――


 精神異常メンタルブレイク状態から復帰したわけだが……

 

「おはよう!!いや、時間的にはこんにちはだな!!!」


 うるせぇ……いや、あの状態惨劇を見られなかっただけ良しとしよう。


「それでリーダー、今日はどこに行くんだ?山か?森か?それとも海か?」


 なんでコイツ《アレス》はいつも遠出をしたがるのか。


「どれも違う。街の外れから隣の街へと向かう為の道でオークの群れと遭遇する場合があるらしい。最近、街と街を行き来する人も増えて来たからな。それで危険だと判断したギルドマスターから指名の依頼だ」


「もしかして、ドラゴンとかデーモンも出て来たりするのか?」


 そげなバカな。


「アレス、アンタ何言ってんのよ。そんなのが出て来るようなら、アタシ達が気が付かない訳がないじゃないの」


「いやアリア、リーダーが指名での依頼クエストって言うから……そもそも、この難易度レベル依頼クエストって他の冒険者に経験を積ませる為にも、俺達が受ける様な依頼クエストじゃないだろ、リーダー?他のパーティーはどうしたんだよ?」


「今、他のパーティーは別の街に依頼クエストで出払っているとギルドマスターから聞いている。それに、新米に任せるには少しばかりオークの討伐難易度レベルは高い。まだ任せられる力量レベルではないとギルドマスターは判断したんだろう」


アレスは、しばらく考えた後、口を開いた。


「うん!!仕方ないな!!よし!今日はオークだ!!!今日も俺の盾が輝くぜ!!!」


そう言ってアレスはおもむろに鎧を脱ぎ始めた。いつもの事である。我々は慣れすぎてこの光景を異常だと思えないでいる。この光景を目の当たりにし過ぎた私達パーティー+ギルドマスター+αは精神異常永久的狂気or不定の狂気状態です。


コロコロ閑話休題


「うぉっ?!下着の紐が緩んでいたか!!」


|アレスの下着が床に落ち、彼の秘剣が露になる。《ファンブルです》


「………………そのいきり立った見苦しいナニを仕舞えよ。頭が見えてんだよ、切り落とすぞテメェ……」


彼にそう言ったギルドマスターの目は死んでいた。と言うか、私達の目は死んでいた。


今日は2度目なのだ。少し前にも似たようなことがあったな。それに男の人のってあんな感じになってるんだ。え?アレが入るんですか?無理ですよ、無理。今日は店仕舞いです。お家に帰ります。アリアお姉ちゃんとキアちゃんと一緒に寝ます。


「お家帰るぅ…………」


翌日、一人でオークを狩る半裸のアレスを多くの冒険者プレイヤーが目撃した。

――――――――――――――――――――――――――

 topic

 アレスの鍛え上げられた胸筋は彼女キアの胸とタメを張る一二を争う程。そのことを冒険者プレイヤー達に知られ「雄っぱいごりら」と呼ばれる様になった。最近は、街の子供達からも「雄っぱいごりら」と呼ばれているらしい。ちなみにアレスと子供達は言葉の意味を理解していない。

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