4話「女神の置き手紙」

メモを開くと、こんなことが書かれていた。


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『女神ノエルより、ちょっとした伝言』

あなたにはしっかりと、あなたが望んだ多すぎる特典を授けました。

しかし、さすがに多すぎて秩序を乱してしまう可能性があると判断したので、全体的に弱体化させてあります。


・超魔力...初めは一般人の3倍ほどの魔力です。


・再構築...初めは魔力効率、いわば燃費が悪いです。


・鎧と剣...初めはただの錆びた鉄装備と何ら変わりありません。


・ステータス...初めは自分より高レベルの相手のステータスを見ることはできません。


・ストレージ...初めは最大魔力量×1キログラムまでしか入りません。


どの特典も使っているうちにスキル経験値や装備経験値が溜まって成長していきます。

レベルMAXになれば本来の力が発揮できるようになるので、心配しないでください。

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なるほど。しっかり対策されてしまった。

使っているうちに本来の力を取り戻すのなら、気ままにやりたいことをやっていればいいだろう。


「にしても、ここはどこなんだ...」


異世界に降り立った直後で、街の方向なんてわかる訳もなく、独り言を言ってしまう。

どうすればいいのやら...

魔力不足で動けないこともあり、俺は草原に寝転がったまま眠りについた。


.................


目が覚めると、太陽は真上まで昇っていた。

さっきはスライムに気を取られて気が付かなかったが、どうやら季節は冬らしい。

真昼だというのに、とても寒い。


「さ、寒い...」


冷えて若干固まった身体を無理やり起こし、目の前にある岩にこびりついた緑の粘着物を剥がしてストレージに放り込む。


「とりあえず寒い。どこか宿があればいいんだが...」


辺りを見回すが、見えるのは広がる草原と、はるか遠くの山のみだ。


「見ていても何も変わらん!とりあえず歩こう!」


どんなものも、大抵は言葉にしてみればやる気が出るというものだ。

そうして、俺はあてもなく草原を歩き始めた。


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