1話後半「いざ、異世界へ」

「じゃあ...」

「"聖剣、聖鎧、超魔力の習得スクロール、ステータスの習得スクロール、再構成の習得スクロールが入った状態の"ストレージスキルをもらおう。」


俺の目の前で女神様が笑顔で固まっている。

まあ仕方がない。とんでもないことを言っているのは自分でわかっている。


「ええっと...私、ひとつだけって言いましたよね?」


「ああ、ひとつだけだぞ?」

「ちょっと条件を加えたけど、ストレージだけだ。」


「そんなの許されるわけが無いでしょう?

まあ一応、創世神様に聞いてみますが......」


「いいぞ。」


突然出現する謎の若い男性。


「誰だッ!?」


「俺だ!!!!」


「ほんとに誰だよ!?」


「創世神様です......」


創世神様は思ったよりも陽気な方のようだ。

ていうか、この無茶振りOKなのかよ。


「しかし創世神様!持ち込めるスキルや武器防具はひとつまででしょう!?」


創世神様の許可を得たのにまだ抵抗する女神様。

ほんっと可愛いなぁ。


「別にひとつなんだからいいじゃねえか。」


「ひとつじゃないです!そんなの屁理屈じゃないですか!」


「なるほど。屁に理屈があるのか。」


「そういうのを屁理屈って言うんですよ!」


女神様はそう簡単に許してくれないみたいだ。


「まあまあ、こんなこと考えたのはこいつが初めてじゃないか。初回特典で許してやれよ。」

「それに大量のチート持っていったらどうなるか面白そうだしな。」


「今、面白そうって言いました?」


「いや、なんでもない。」


かなりノリのいい創世神様と真面目ちゃんな女神様。

もう君らコンビ組めば?


「はあ......特例ですからね?わかりました。

様々な転生特典入のストレージを認めます。」

「最後に、名前はどうされますか?今のままか、それとも別の名前か。」


「そうだな....アルラス・フォートにしてくれ。」


「わかりました。外見や服装も変えておきますので、早く転生魔法陣の上に立ってください。そこにありますから。」


だいぶ疲れたような様子の女神様。

どうしたんだろうか。

疑問を抱きつつも指し示された場所に向かい魔法陣の上に立つ。

すると魔法陣が輝き出した。


「それでは行ってらっしゃいませ。

言ってませんでしたが 、異世界はモンスターが蔓延るだけでなく、魔王軍の手によって平和が脅かされています。」

「あなたが魔王を倒し、世界の平和を取り戻すことを陰ながら願っています、というか、これだけ持っていったんですから、倒してもらわないと困りますよ?」


「魔王を倒したら、君を貰うためにまた魔法かなんか使ってここに来るよ。」


「もう来ないでください」


「寂しいこと言わないでくれよ~」


それにしても、本当にこれから異世界に行けるんだな。

まるで夢みたいだ。ラノベやゲームみたいなことが本当に起こるなんて。

転生特典は大量に貰ったから、これで無双してやろう。


「面白い事がおきそうだ。俺たちは天界からお前を見ておくよ、せいぜい死なないようにな。じゃ、行ってこい。」


光に囲まれて視界が奪われていく中、

俺は最後にもう目の前にはいないかもしれない神々に言った。


「行ってきます!!!!」

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