第四話 くだらないけど楽しい雑談

◇◇◇◇


特殊個体討伐のためリザルト内容を精査いたします。


リザルト


経験値獲得対象討伐体×1

内訳

【名称:名無し

 称号:人類をはかいするもの

 種族:ハイエルフ超越体・魔王】


討伐体強度:150,000,000,000.2

内訳

【肉体強度 0.1

 魔力強度 0.1

 精神強度 100,000,000,000

 魂強度  50,000,000,000 】


称号獲得:獲得条件

人類種滅亡危機回避(ラルスヘダー)

 :世界呼称・ラルスヘダーの人類種滅亡危機に陥る運命を阻止

人類種滅亡要因(地球)

 :世界呼称・地球の人類種滅亡の運命を引き寄せたもの

人類種滅亡回避(地球)

 :世界呼称・地球の人類種滅亡の運命を阻止

超越種討伐

 :魂の枷を超越したものを討伐

特殊転移者討伐

 :異世界転移に伴う初期化を回避、適応したものを討伐

世界の壁を超えしもの

 :異世界の壁を超えた

世界樹(疑似)の友

 :世界樹(疑似)に友と認められた

精霊種の友

 :全精霊に友と認められた

芋虫バスター

 :特殊な芋虫を討伐した


特殊報酬

運命力補正(1度のみ)

 :人類種の危機を救った功績により、願い事を極めて叶えやすくなる(願い受理済み、対応可能のため確定)

精査結果、条件付きで問題なしと判断されました。


称号:人類種滅亡要因(地球)は消去条件達成のため消去されました。


特殊個体討伐、称号獲得による経験値を加算し、対象者:芦刈 史康のレベルアップ処理を正常に行いました。


対象者保護のためステータス制御を行いました。

制御の解除は対象者の意思のみで行えます。


◇◇◇◇


「あー、昨日レベルアップの話を散々してたからか、変な夢見た気がするわ、内容覚えてないけど。あれぽっち話しただけで変な夢見るんだから、そりゃレベルアップ欲してるやつは願望で夢見るのもわかる気がするな」


 酒の残る頭をガシガシとかきながら、リビングへ向かい昨日寝たまんまからピクリとも動いていないと思えるぐらい、そのままの姿勢で眠る久仁雄くんの横を通って、冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出した。


 お茶を飲んでいると、久仁雄くんも起きたみたいなので、もう一つお茶を取り出して、久仁雄くんに渡した。


「すみません、いただきます」

「おいおい、飲みすぎたのか? 喉ガラガラだぞ」

「あはは、元からですよ」


 久仁雄くんは俺のからかいにも笑って対応してくれて、渡したお茶を一気に飲み干した。

 ちなみに俺は500ml、久仁雄くんは2Lのお茶だった。


「今日は帰って配信しなきゃいけないんだっけ?」

「はい、前に言ったかもしれませんけど、土曜日か日曜日の夜に、1回はライブ配信をやってくれって言われてるので」

「人気者って大変だなぁ、でも探索者としても配信者としても、成功してるんならどっちかで、食っていけるんじゃない?」

「まあ、そうなんですけど。探索者は性にあってるますし、配信はやるのは恥ずかしいんですけど、応援してくれてきた人達に、恩もありますので、ふみさんだって安月給だとか言っても、会社やめないじゃないですか。僕の配信手伝ってくれるならそれ以上出すって言ってもですし」

「いやー、久仁雄くんの世話になるのはなぁ。ただの気楽な友達でいたいじゃない? 仕事になると色々気にしないといけないしなぁ」


 俺がブラック企業にでも務めてたら、多分尻尾振って世話になるけどな! まあでも──


「宝くじとか当たって大金入ったら、俺はすっぱり仕事やめるぞ?」

「ええぇっ!? 会社の方に恩があるとか、そこが好きだとかで続けるんじゃないですか?」

「ないない、俺のモットーは適当と気楽に、だからな、しなくてもいい仕事はしないぞ。まあ、宝くじなんて夢買ってるだけだから、そんな未来こないけどな」


 特に俺が買ってる宝くじは当選金でかいからなぁ、一般人の生涯年収の倍以上で税金もかからないんだぜ。当たったらそりゃもう勝ち組よ、勝ち組。当たったらな!


「まあ、ですよね。宝くじなんて当たった人、僕も見たことないです。でも、宝くじ当たったら仕事辞めて何したいです?」


 おっと、宝くじ会話で定番のやつが来たな。


「そうだなぁ、ネットとコンビニあれば生きていけるって言うし、どっか田舎に引っ込むのもいいかな? 九州とか北海道とか酒のつまみが美味しい所が良いかな。それからそうだなぁ、宝くじ当たったらダンジョンに行ってもいいかな? 暇になるだろうし低層探索者だっけ? 運動目的とかダイエット目的とかに入る人たちのこと言うの、ああいうのなら良いかな?」


 テレビで見たことあるけどカジュアルな格好で気軽に潜っている人たちのことだ。たまに馬鹿な大学生が問題起こしているけど、それは世の常ってやつだな。


「命の危険のないところで魔物刈りや、ただダンジョンを巡る人たちのことですね。九州で言えば阿蘇カルデラダンジョンが有名ですよ。中央部の阿蘇山は日本最難関のダンジョンと言われてますが、外周部のカルデラ部分には結構なダンジョンの入口があって、難易度もそれぞれで人気ですね。初心者講習受けるだけで入れるところもありますよ」


 適当なことを話をしているんだけど、久仁雄くんはえらく上機嫌になっている。

 そのことを突っ込んだら。


「だって、ふみさんが探索者のことに興味持ったの初めてじゃないですか?」

「あれ? そうだっけ?」


 確かに、今まで自分から探索者の話題を他人に降ったことはなかったな。久仁雄くんがトップクラスの探索者だと聞いて、影響されたかな? 俺もミーハーだったわけか。


「じゃあ、ふみさん。行ってみますか? ダンジョンに!」

「い、いや。ほら、宝くじの当たったらの話だから、ね?」


 俺がいつものように断ったので久仁雄くんがしょぼんとするけれど、これは俺が宝くじ当たって、仕事をやめて暇になったらという、楽しいけど、ただの妄想の話だ。

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