アニメのような青春は俺の周りにはないようだ

ハルヒゴブリン

第1話中野雄太は夢を見る 第2話卓球と部活と先生はめんどい

「バイバイ、雄太。」

「待ってくれ、待ってくれ、××。」

また君が死んだ。


朝起きると体に生温い水滴が付いている。

はぁ、今日もまたあの夢か。

僕はある日を境にとある夢を見るようになったのだ。

人が死ぬなんて胸糞が悪い夢だ。

とまぁ、時計を見るとそろそろ家を出ないといけない時間だ。

陰キャの俺の唯一無二の取り柄の無遅刻無欠席がこのままでは危ういので早々に家を出る。


キーンコーンカーンコーン


チャイムがなる。なんとか間に合った。

俺が大きくため息を吐くと、

「よお、雄太珍しく遅刻ギリギリだな。」

と、隣の席の飯島に話しかけられる。

この飯島は、俺の唯一の友達にして、親友だ。この友達一人しかいないの、ラノベでありがちな展開だよな。

おっと、話が脱線して、交通事故起こすレベルだぞこれは。

話を戻して、

「おはよう飯島。」

とだけ挨拶しておく。

そしてつまらない女教師の話を聞いてホームルームは終了。この女教師顔はいいのに怖いからな、陽キャとは仲良いけど。陰キャに厳しい人。ちなみに陽キャたちは笑ってた。陽キャってツボ浅すぎてツボの形にならないだろ。もはや板ってレベル。

なんてこと思ってると、担任の女教師が一つ言い忘れたがと言い、

「中野、昼休み職員室に来い。」

と言い残し出て行った。

これだから学校は憂鬱だ。



とまぁ、授業は窓の外を見ていたら終わった。べ、別にあんたにモテたかったとかそんなんじゃないからねっ!こんなの今じゃ流行らないだろうな。

今からあの先生のとこに行かないといけないと考えるだけで悲しくなってくる。

あの先生めちゃくちゃ怖いからな。

職員室に着くと先生はこっちを向き手招きしてきた。

はいはい、行きますよっと。

進路指導室に入れられ、先生は、

「お前部活入ってないよな。」

と聞かれた。何かの質問?なんの意図があるの?怖い。

「今私のこと怖いと思っただろ、潰すぞ。」

やばいこの先生、某俺ガイルの先生みたいなこと言ってる。

「まぁ、そんなことはさておき、今年から部活強制入部になったんだ。それでお前は部活に入ってないだろ。」

「は、はいまぁ。」

「そ、それでだな、お前には卓球部に入ってもらう。」

「え、嫌です。」

「えぇ、いいじゃない、卓球やろーぜ!」

「なんすかそのイナイレみたいな決まり文句は、、、」

「まぁとにかく入ってくれ、頼む。

お前一応経験者だろ。今卓球部部員足りなくて困ってるんだ。お前どうせ他のどこの部活にも入る気ないだろ。」

「まぁ、将来はヒモ志望なんで。

文芸部入ります!」

「え、なんで?」

「本好きだから。」

部活は好きなものをする場だからいいだろ別に。

「てなことで、文芸部入ります。」

「えぇ、卓球部に入れば国語の成績よくしてやろうかな。」

「卓球部入ります。」

人は楽したい生き物なのである。

あとこれアニメの青春ぽくね。

俺のモテ期ある?

そんな期待はしてはいけないよ。

みんなに忠告しておこう。




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