手紙

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夏至の忌まわしく永き日から守ってくれてありがとう。心より感謝している。

そして必要以上に貴方を味わってしまった事を許してくれ。この1年と数ヶ月、例の感染症のお陰で満足な晩餐が賄えず、自分で思うよりずっと飢えていたらしい。窓にぶつかったのもそのせいだろう(勿論、日の力が最大であり、闇の眷属の力が弱まる時期である為、というのが一番の理由だが)


ところで、ひとつ告げなくてはならない事がある。どうやらわたしは窓にぶつかった際、舌を少し噛んでしまったらしい。

この国には「朱に交われば赤くなる」という言葉があると記憶しているが、それと同じような事が、わたしと貴方の間で起こる可能性がある。


正式な儀式を持って血を混じえた訳では無い故、どのくらいの確率でそれが起こるのかわたしにもわからない。

もし起こってしまった場合、明日の晩起こるはずの「血の渇望」に耐えてくれたまえ。それが過ぎ去れば貴方は今まで通り、儚く短い生を全うできるだろう。

しかし耐えられずに血を求めてしまった時は、わたしの所に来るが良い。貴方の住まいのすぐ上で待って居るから。


Laurent Sarcelle(ロラン・サルセル)


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