死神の世話なんてできませんっ!
ゴシャッ
鈍い音が、暗闇の路地に響く。
”アハハハハッ!「バ●ス!」とっととその酷ぇカオごと地中に埋めて逝っちまいな!”
若い男の狂った嘲笑が真夜中の静寂を打ち破る。足元には「女」。白いワンピースは血だらけ、うつぶせているので分からないが、おそらく額からも、そして肩口からは骨とおもわしき白いものが。
ここは廃街。とある狂信者らによってだれもいなくなった、はずの場所。
”お前ら、これが好物・・・だもんなあ?え? オ●ガズム麻痺狂サディスト男爵・・・ッ! ったく ”
グリン、と女が顔を向け、そう言い放つと同時に眼球がその姿をとらえる。長身の黒コートからのぞく、青白い顔と鋭い目つきが、一瞬、凍ったようにみえた。
”オマエ、なぜ死なない”
かさついた唇から漏れる声に先ほどまでの余裕はない。
”「死」か。『懐かしい』響きだな ”
血だらけで、破れかぶれのワンピース一枚、白い体がところどころ透けている様を除けば、さっきまではどう見ても「普通の」、「一般人の女性」が、
その長い黒髪をゆらして立ち上がり
ボギ
さきほどまで機能不全だった右肩の骨を左で矯正した。
「エネルギーチャージ完了」
たじろいだのが隙
次の瞬間、男の巨体はガン!という衝撃とともに壁に押さえつけられ、一息もなく首をへし折られていた。
巻きあがる土埃に崩れ落ちる。途端、彼女の瞳からあらわになる恍惚。
「いただきます♪」
静寂が戻る。夜が更けていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます