四国遍路

萌黄の着物をきた少年が二人、受付にすわっている。

にこやかに挨拶してくれた。

案外簡単に通った。


そこには白い着物を着た少年も立っていた。

が、その着物は袖も裾もボロボロ、白い着物は茶色のシミばかり。

後ろでくくっている髪も洗えていないのか、フケと頭皮の汗が目立っている。

それでも少年は笑っていた。


地図をみると、墨で縁取られた蒼い山々が連なっている。

とても長そうだ。

彼は杖を持って旅立っていった。

私も旅立とうとした。

しかし、急に用事をたのまれて中々行けない。


目が覚めた。



これはきっと、あの世への旅だったのだ。

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