なんで?・1
『いっぱい遊びにいかないとねっ』とねっ』とねっ…………』
『いっぱい遊びにいこっ』いこっ』いこっ…………』
『私、ヒロくんといっぱい遊びにいきたーい』きたーい』きたーい…………』
(…………ってことなの?
あの言い方はそういうことだよな? めっちゃ笑顔だったし。
いや、落ち着けよ。そんなわけねーって。
だって、ずっと、全然、しゃべったりとかもしてねーじゃん。
あ、
ひさしぶりに話して、盛り上がったからそのノリで? みたいな? 友達的な距離感?
あー、そーゆーことねー…………。
……でも、さっき帰ろうとしたら引き止めたよな?
やっぱ、そうだよ。
…………ほんとにそうなのかな?)
気になって、いまさらのようにまじまじと見たら、
ミムは、かわいい。
そう、ヒロハルは思った。
そりゃあ綺麗とか、
美人なタイプではないけれど――――。
サラサラのショートボブ、やわらかそうなほっぺ、すっと通った鼻筋。
いまいち地味な感じの眼鏡とひとえまぶたさえ、
ミムらしくて、なんかかわいい。
それが、ミムだから…………?
(え? あれ?
なんか…………なんで?)
ヒロハルの中で、
ミムのかわいさがどんどん大きくなっていく。
どんどんどんどんどんどんどんどん、
見上げるほどに巨大化して、
ついにはまぶしいほどに輝くかわいさが、
ヒロハルを――――圧倒!!!!!
(な、なんだ、これはッ??)
飲み込まれて……いく!!!!!!!!!!
(うわああああああああああああーっ)
そして、
光は突然消えた。
(え………………?
なんで?!?!?)
ミムの目から、
ひとすじの涙がこぼれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます