すれちがい・1

「もう大丈夫かな」


 ヒロハルは足でそのあたりの床を踏んでみた。


「ちょっと、危ないって」


「大丈夫大丈夫、コロコロもかけたし」


 はだしで確かめたのは、

 もし細かい破片が残っていて、ミムが怪我でもしたらいけないからだ。





 一方、ミムは謀略をめぐらせていた。


(このままキッチンに引き止めたほうがいいかな。

 部屋に戻るよりは、見つかる危険は減るはず)


 そして、新しいコップを取り出す。


「コーラ、入れ直すね」


 ところが、ヒロハルは首を振った。


「いや、いいよ。

 もう俺、帰るから」

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