秘密・2
一方、ミムの部屋では。
(あれって…………ミムが隠したやつじゃね?)
ヒロハルはベッドに近寄り、手を伸ばしかけた。
(隠したってことは、見られたくない、ってことだよな?)
伸ばしかけた手を止めた。
(でも…………。
あそこまで必死に隠したものって…………何?)
止めた手がまた伸びる。
伸ばしては止め、止めては伸ばし、
とうとう手はそれに届いてしまった。
すでに、その正体はわかっていた。
荒い呼吸、高まる動悸、
ヒロハルは思わずそれを握りしめた。
――――ゴ ク リ――――
それは、ただの布と呼ぶにはあまりにも生あたたかすぎた。
やわらかく、ふんわり、そしてしっとりしすぎていた。
それはまさに、脱ぎたてのパンツだった。
それがなぜ、そこにあったのか。
もちろん最初から部屋にあった可能性は否定できない。
しかし、先ほどのミムの動きからして、
すでに半脱げのパンツを脱いで、隠した――――――
と考えるのが自然だった。
装備されているべきパンツが、
なぜ半脱げだったのか、
あらゆる状況証拠から導き出される、その論理的帰結は――――。
(夢じゃ………………
なかったんだ………………)
せっかく忘れることができてたのに。
ヒロハルは心の中で天を仰ぎ、
滂沱の涙を流した。
とそのとき、キッチンで!
――――ガシャーン!
「ったぁ!!」
(ミム?!)
ヒロハルはミムのパンツを片手にドアを開けた。
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