さりげなく

(さっきから全然かみ合ってなくない?

 話、ぜんぜん進まないんだけど?)


 ミム、赤面から復帰し、さっそくひとり反省会。


(ちょっと直球すぎたのかな。

 いまの、ごまかされた感あったし。

 遠回りだけどやっぱり無難な話からいこう。

 共通の話題がいいかな?

 そのほうが、警戒心? 解ける感じでいいかも)


 ミムさんはもっと警戒心持ってください。ノーパンなんですよ。





 気まずい沈黙を破り、ミムはさりげなく話し始めた。


「なんか、こういうのひさしぶりだよね」


「え? こういうのって?」


「ちっちゃいときはよく遊びにきてたじゃない。ヒロくん、うちの親がいないときでも勝手に入ってきて」






  ――――なんとなく疎遠になったのは、高校に入ってからだろうか。


(ヒロくんが野球部に入ったから、

 朝練で通学時間も合わなくなったんだよね。

 別に避けてるわけではないし、すれちがえば挨拶ぐらいするけど、

 かといってわざわざ会いにいく用事もないし)


 その割に、学校ではなぜか不思議とよく目が合う。

 でも、気まずいこともないのにすぐ目をそらしてしまう――――。

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