53話 最悪なバッドエンドを変えろ。

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運命の日が来た。


俺が亜希菜と咲来楽を失うきっかけになった最悪な日。今回も未来が変わらないのなら、山田勝志やまだかつしという男に咲来楽は誘拐される。咲来楽を引き止められたとしても、他の女の子が誘拐される。そこで、一つの矛盾に気が付いた。


「なんで、『咲来楽と付き合った世界』で、咲来楽は誘拐されなかった…?いや、そもそも…なんであの時だけ咲来楽は先に帰っててなんて言ったんだ?」


共通点を探せ…何かあるはずだ。その何かを放課後までに見つけないと…咲来楽と亜希菜が死ぬ…いや、ストレスならワンちゃん助かった美春も死ぬかも…


そうなったら本末転倒だ。早く、見つけなきゃ…









「─お兄ちゃん、今日は亜希菜と美春と先に帰ってて!


しかし、放課後になっても分からず、咲来楽が前のときと同じように寄り道すると伝えられる。


亜希菜と美春がどうしたのか、心配して聞くと、


「ううん、なんでもないよ。でも今日は先に帰ってて。…その後に、ね…♡」


顔を赤らめながら言う、咲来楽を見て矛盾の共通点に気が付いた。


そうだ。『咲来楽とだけ付き合った世界』では咲来楽とエッチした。でも、最初の世界では亜希菜に慰めという形で咲来楽とはしていない。そして、今美春がいることにより、『』という言葉が出た。


つまり、4人でエッチしようとしていると考えていいだろう。そして、買いに行くのは…


「コンドームか…」


俺はようやく気付いた。だったら後は一つだ。


(先回りして病院に忍び込むか。)


「わり、二人共先に家に帰っててくれないか?」


「「えっ?どこに行くの?」」


二人は見事にハモらせ言った。


俺は不敵に笑って、


「─最愛の彼女を助けに行くんだ。」


そう言って、俺は走り出し、廃墟・鈴木医院の場所へと向かった。

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