49話 美春と付き合った場合。

─俺の名前は春咲勇気。


先日までごく普通の高校生だった。そう、は。


4/24の昨日、帰りに図書室に寄ると、幼馴染みの打越美春に声をかけられた。


「別に大した用事じゃないのだけど、ちょっと、今夜家に行くから。いいわよね?」


いきなり言われたのにはびっくりしたが、断る理由もない俺は承諾した。


そして家に帰って美春を待っていると家のインターホンが鳴った。


「お、来たみたいだな。は〜い」


俺が玄関を開けると、美春がいた。美春は突然、手を広げた。俺がその謎行動に戸惑っていると、美春は満面の笑み(にやにやと怪しげな…)と共にその状態のまま俺に向かって


「!?み、美春!?」


「あぁ〜、勇気の匂い…しゅきぃ♡」


「おい!匂いをかぐな!…てか離れてくれません?…う、力強っ…頼むから離してくれ。こんな所近所の人に見られたら…」


恥ずかしすぎて、顔を合わせづらい…


その後、家に美春と家に入る。


「単刀直入に言うわ。私…勇気のことがずっと好きだったの。だから私と付き合ってくれる…?」


「ええと…こんな俺なんかで良ければ…」

 

俺がそう答えると、美春は「やった」と子供みたいな顔をして、俺に抱きついた。


バタン…


その反動で俺は押し倒される。そして倒れた場所は偶然にもソファの上。


……あれ…美春さん!?なんで服を脱ぐのでしょうか!?


「ねぇ…勇気?私のことだけ見てね…?」


「あ…はい」


その後めちゃくちゃセ〇クスした。




「勇気、屋上でお弁当食べましょ。」


「ああ。あれ?は?」


「え?亜希菜と咲来楽?誰、その女?」


あれ?誰だ…?なんで知らない女の名前なんか…


「え、ちょっ!勇気、どうしたの?」


「え?」


言われて気付いた。俺は…涙を流していたんだ。理由は分からない。けど、この時、分からなかったことに後悔することになる。


今日の帰り、『ドンキ○ーテ』に寄った。


その帰りに猛スピードで突っ込んで来た車から美春は俺をかばって死んだ。


でも不思議と涙は出て来なかった。なぜだろう。こんなことが



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る