45話 明かされる事実。

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出所して、5日が経った。俺は現在、前に住んでいた家で亜希菜と同棲している。


今日は特にやることもないので、亜希菜と一緒に咲来楽と美春のお墓参りにでも行こうと思っている。


美春の時もそうだが、咲来楽の葬式にも出れなかったからな。


墓参りぐらいしないとな。


「なぁ、亜希菜。今日は、美春と咲来楽の墓参りに行こうと思うんだが、咲来楽のお墓の場所知ってるよな?」


俺はそう亜希菜に聞いた。しかし、亜希菜は急に怒ったように、瞳から光を無くし、俺へと迫ってくる。


あれ…俺なんかまずいこといったか!?


「ねぇ、勇気君…


「え…」


今、亜希菜はなんて言った?『誰』と言ったのか…?


「何いってんだよ、冗談はやめろよ…」


俺は亜希菜の悪ふざけだと思ったが、


「冗談なんて言ってないけど?それで誰?」


どうやら冗談ではなさそうだ。


美春や咲来楽も全部俺の夢だったのか…?


いや、違う。俺はすぐにその考えを否定する。だってそれだと俺が捕まった理由は無くなってしまう。


となると─


記憶障害…?俺がいない5年の間に何かがあって、もしかしたら、記憶障害を患ったのかもしれない。



「亜希菜、俺と一緒に病院に来てくれ。」


俺は半ば強引に亜希菜をここら辺じゃ大きいかまぼこ総合病院に連れて行った。


医師には詳しく説明すると、亜希菜はすぐに検査を受けさせられた。


* * *


そして、亜希菜の検査が終わって告げられたのは─


「勇気さん、姫乃亜希菜さんの診断結果ですが、彼女はです。更にストレスが、原因でも患っています。ステージは4。5年前に患ったまま気付かなかったんでしょうね…あらゆる所に癌が転移している。助けられません。………亜希菜さんの余命一ヶ月です。」


「っ!?そんな…そんな事って…!」


俺は唇を噛んだ。血が出るがそんなの知らない。亜希菜が、後一ヶ月で死ぬ…?美春も咲来楽もいなくなったのに…亜希菜まで俺のそばを離れたら俺は…


肩に手が置かれる。


「大丈夫だよ、勇気君。後一ヶ月もあるんだよ?それまでに思い出を作ろうよ」


亜希菜はそう言うが俺は気づいていた。彼女は…


─震えていた。

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