29話 お風呂での事件 前編

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突然だが、今日、事件が起こった。


…いや、現在進行系で


「お兄ちゃん、どう?気持ちいい?」


お互いでお風呂場にいた。だが─


「あ、あぁ。とても気持ちいいよ」


…決していかがわしい事をしている訳じゃない。背中を流してもらってるだけだ。………3の、だが…


事の発展は一時間前に遡る─


* * *


「さ〜て、体を洗って風呂に浸かろう。今日はなんか、無駄にからな。」


今日は無駄に倦怠感があり、授業中ずっとぼーっとしていた。


シャワーチェアに座った所で後方のお風呂と脱衣場をつなぐ扉が開かれた。


「えっ!?」


俺は瞬発的に振り向き、そして唖然とした。


亜希菜が一糸まとわぬ姿でそこにいた。


「えっと…勇気君、お背中お流しします。」


「え、あ、はい…」


こうして亜希菜に体を洗ってもらうことになった。…もちろんアニメやラノベのようにタオルなどを持っているはずがなく、俺の息子は丸見えだ…


だが、それは亜希菜も同じだ。


アニメやラノベのように水着でも着てくれたらどんなに良かっただろう…


童貞の俺にとって、亜希菜の裸はとても刺激が強かった。


「じゃあ、前も洗うね♪」


「ああ。お願いす─って、前はダメだろ!?」


亜希菜の手が背中から前に伸びてきて俺は慌てて止める。


「ダメ…?」


「うぐっ…………俺の俺に触らなきゃいいよ…」


「うんっ♪」


亜希菜はそう返事して、


「…おい」


俺の息子を洗い始めた。


「触るなって言ったよな…?」


「え〜?なんのこと?勇気君は、『俺の俺に触らなきゃいいよ』って言ったんだよ?私が触ってるのはおち─」


「言わせねぇよ!?」


危なかった…危うく、女の子の口からとんでもない言葉を出させるところだった…






前の方も洗い終わって、シャワーでボディーソープを流す。


なんとか俺の息子は目覚めることなく、亜希菜の裸という刺激に耐えきった。


「じゃあ、私は上がるね。勇気君はごゆっくり。」


「え?あぁ、分かった。」


てっきり亜希菜の事だから『勇気君、一緒に入ろう?』とでも言ってくるのだと思ったから俺は調子が狂う。


立ち上がり、湯船に浸かろうとした所で、またもや後方の扉が開く。そこに立っていたのは、亜希菜ではなく─


「勇気、背中流させて。」


美春だった。




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