18話 自称妹の転校生。
「会いたかったです!…お兄ちゃん。」
俺の胸に顔をスリスリと押し付けてくる紅条はそんな爆弾発言をした。
「まてまて、俺に妹はいない。冗談はやめてくれ。」
俺がそう言うと紅条はキョトンとした。クラスメイトは事の成り行きを見守っている。
「冗談じゃないですよ?…とりあえず、この話は後でしましょう?…みんなこっち見てますし、先生も困ってるみたいですし。」
「っ、…分かった。」
俺は座った。紅条も俺の後ろに座った。
* * *
色々とあったものの、無事にHR(ホームルーム)が終わり、今日は解散となった。
…問題は残っているが。
「じゃあ、お兄ちゃん、帰りましょう。」
「ちょっと待て、さっきの話の続きだ。俺が『お兄ちゃん』ってどういうことだ?」
「そのままです。私はあなたの妹です。…正確には
「…なった?……………っ!ま、まさか…!」
俺はスマホを取り出すとすぐに母親に電話した。
『かかっってくると思ったわ。紅条咲来楽ちゃんの事でしょ?』
「ああ、そうだ。まさかと思うが、再婚したのか…?」
『さっすが、私の息子。そう、再婚したのよ。それで咲来楽ちゃんなんだけど、一緒に住んでね。』
「…は?」
俺は母の言葉が理解できなかった。…一緒に住む?
『それじゃあお母さん、休憩終わりだから。じゃあね〜』
ブツッ…
一方的に電話を切られ、俺はしばらく立ち尽くす。
「…紅条、一緒に住むって知ってるのか?」
「咲来楽って呼んでください」
あれ、なぜだろう。俺は亜希菜に脅されたときと同じようなことを言われた気がする。
「…咲来楽」
「はい♪なんでしょうか?」
「敬語はやめろ。これから一緒に住むならなおさらだ。」
「分かった。じゃあ、帰ろう♪」
咲来楽は俺の手を引いて教室を出て帰ろうとする。
「どういうことですか?勇気君。」
「どういうこと?勇気。」
同棲してる彼女達がそう簡単に帰らせようとするわけがない。
俺達の前に亜希菜と美春が立ちふさがった。
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