第三章 転校生という名の妹。
17話 転校生は新たな地雷。
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「─はい、では、これで始業式を終わりにします。なにか連絡事項がある先生方はいらっしゃいますか?………では、3年生から順に教室へ戻って下さい。」
長い長い、校長先生の話が終わり、ようやく解散となった。
教室に戻ると担任の西川先生が入ってくる。HR(ホームルーム)を終えたら、今日は解散となっている。早く終わらないか、と考えていると担任の口からとんでもない言葉がでた。
「今日は新しく
担任のその言葉で教室がザワザワし始める。が、俺は特にそんなことはなかった。なぜかって?そんなの亜希菜と美春がいるからだ。
ガラガラッ…
教室の扉を開けると共に転校生が入ってくる。
「「「「「おぉ…!」」」」」
クラスに入った途端、男子から歓声の声が上がった。転校生は長い茶髪をポニーテールで結んだ美少女だった。
「さ、自己紹介を。」
担任に促され、転校生の少女は自己紹介を始めた。
「始めまして。私は春馬乃薪(はるのまき)高校から来ました、紅条(くじょう)咲来楽(さくら)です。これからよろしくおねがいします。」
「よろしくな。紅条は、春咲の後ろが空いてるからそこ、座ってくれ。」
(うっわ…よりによって俺の後ろかよ…出来るだけ関わらないようにしよ。)
「はい、分かり─今、誰の後ろって言いました?」
「?そこにいる、春咲勇気の後ろって言ったんだが?」
俺の後ろだと改めて聞くと、紅条は俺を見る。バチッと、目が合う。
そして、ポケットから
ソレをまじまじと見た後、俺の元に早足で来ると、
「すいません、ちょっと立ってもらえますか?」
クラスが再びザワザワし始める。担任も何事かとこっちを見ている。
「…え?立てばいいのか?」
俺は言われた通り立ち上がる。次の瞬間─
ぎゅ〜〜〜!
突然、抱きしめられた。
「っ!?な、何を…」
紅条の行動にクラス中が、騒ぎ始める。…あれ?なんだろう、気のせいかな?なんか殺気が…
「会いたかったです!…
「………は?えっ?お兄ちゃん!?」
俺が戸惑ってると、紅条が、顔を胸にスリスリと押し付けてくる。
(おいおい…勘弁してくれよ…!)
俺はそう心の中で叫んだ。
さっき感じた殺気がより強くなる。…誰のものか?男子からの嫉妬を兼ねた殺気もあるが…
それはもちろん、亜希菜と美春によるものだった。
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