14話 心情の変化〜亜希菜〜


「だから、俺から提案がある。二人が勇気のことが好きなのは今までの行動で分かってる。だから一つ提案だ。…勇気に他の女と喋ってもいい権利を与えてくれ。そして束縛するのは家にいるときだけにしてやってくれ。同棲してるんだから独占できるだろ?」


「「………分かった」分かりました。」


「じゃあな。…勇気を大切にしろよ。」


私は、祐斗君の話を聞いて深く考えていた。


祐斗君の言ってることは正しかった。他の女と喋るなと言ったけど、それは自分達も守らなければそれは不公平になるし、何より勇気君だけにそれを強要させようとしていた事に言われるまで気付かなかった私達に欠点がある。


私は、勇気君の事が好きだ。独占したい。監禁してすべてを管理したいくらい。


でも、祐斗君の言うとおりだった。同棲してるんだし、家で独占すればいい。誰にも邪魔されない。

祐斗君は大切なことに気づかせてくれた。前まではあまりいい印象を感じなかったけど、印象が変わり始めてきた。


その後、教室に向かい、美春ちゃんと一緒に走って勇気君の席に飛び込んだ。


「勇気!」


「勇気君!」


「な、何?」


「さっき、言われて気づいたの…他の女と喋ってもいいわ。」


「はい。私も言われて気付きました。さすがに学校でソレはキツイですよね…ですので─」


私と美春ちゃんは同時に言った。


「「家で独占します!」するわ!」


教室が何故か急に静かになった。


「……………………………………何を言ってるんだ?」


「さっき、祐斗君に言われたんです。『同棲してるんだから独占できるだろ?』って。」


私がそう言うと、勇気君は祐斗君の方を見た。祐斗君は顔をそらした。


「だから私達は家で勇気を独占する事にしたの!」


美春ちゃんがそう言うと、勇気君はしばらく沈黙した後答えた。


「………ああ。分かった。いいよ、それで…」


勇気君は祐斗君を睨みながら言った。


私は帰ったら勇気君をどう独占するか、その方法を考え始めようとしていた。

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