13話 賭けの結果。

「よう、終わったぜ。」


その声を聞き俺は安堵した。


「祐斗!無事だったか…よかったよ………でどうなった?」


俺が聞くと祐斗はニヤリ、と笑って言った。その笑みは勝利を確信するものであり─


「あ、悪い。悪化させるように仕向けちった」


「…………………は?う、嘘だろ!?」


俺は返ってきた言葉を聞いてガックリとする。


「安心しろ。そこまで束縛はされないはずだ。そう仕向けた。」 


「ほ、本当か?」


俺がそう聞き返すと、「ああ。」と、答えた。そのまま祐斗は自分の席に戻っていった。


その数分後、美春と亜希菜がものすごい勢いで俺の席に飛び込んでくる。


「勇気!」


「勇気君!」


「な、何?」


二人が叫ぶように俺の名前を呼ぶのでクラスの大半がこっちを注目する形になった。


「さっき、言われて気づいたの…他の女と喋ってもいいわ。」


「はい。私も言われて気付きました。さすがに学校でソレはキツイですよね…ですので─」


亜希菜が少し間をおいて美春とタイミングぴったりに言った。


「「家で独占します!」するわ!」


シーン……………


教室がとても静かになる。物音一つしない…


「……………………………………何を言ってるんだ?」


その静寂を破ったのは俺だった。


「さっき、祐斗君に言われたんです。『同棲してるんだから独占できるだろ?』って。」


おい! 


俺は、祐斗を見た。祐斗はわざとらしく顔をそらした。悪化させたかもってこういう事だったのかよ!


「だから私達は家で勇気を独占する事にしたの!」


二人から言われ、俺の答えは一つしかない…。


「………ああ。分かった。いいよ、それで…」


俺は、祐斗の方を睨みながら言った。


賭けの代償は俺だった。二人は独占欲が高い。今後は勉強にも嫉妬しそうだ…


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