11話 ヤンデレの更生か、親友か。


「っ、いいわ。その心理テスト受けてたつわ。」


「ええ。私達の愛が本当かその心理テストで証明します。」


「あぁ…。じゃあまた後で。」 


そう言って祐斗は自分の席に戻っていった。

俺は祐斗が美春を煽った時、内申ヒヤヒヤしていた。やめろ、とアイコンタクトを送ったのだが、祐斗は大丈夫だ、と俺にアイコンタクトを送ってきた。


『大丈夫』と言われたが、それでも心配だった。


そんな事を考えていると、4時間目が始まった。


─そして昼休み。


授業が終わると真っ直ぐに俺の元へ来た亜希菜と美春。


二人が作った弁当を食べながら二人と話をするが、緊張してあんまり話せなかった。


やがて、食べ終わると、


「じゃあ勇気君。私達は行ってきます。本当は一秒たりとも離れたくないんですけど、愛を証明するために行ってきますね!」


「ええ、だから待っていてちょうだいね?………浮気なんてしたら…ダメよ?」


「あ、あぁ。もちろんだ…」


美春に軽く圧をかけられ、一瞬怯むも俺はちゃんと答えた。


二人が教室から出ていったことを確認すると俺は再びため息をついた。


(二人のヤンデレが治るのなら、むしろその方がいい…だけど…)


俺は思った。もし、祐斗が二人から“ナニカ”されたら?それもトラウマ級の事をされたら?


アイツはメンタルがそこまで強くない…溜め込むタイプだ。


そんなことされたらアイツはもう立ち直れない。俺は後悔した。


やっぱりよく考えて言うべきだった。


後悔先に立たずという言葉が今、実証され俺は祐斗の安全を祈るばかりだった。


ヤンデレの更生か…それとも親友か…


…親友の方が大事なはずなのに…


俺は間違ってしまった。二つの選択肢を。


「…頼む祐斗…更生させなくてもいいから…無事に戻ってきてくれ…!」




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