2話 亜希菜の爆弾発言。
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俺の朝は遅い。なぜ?朝に弱いからだ。目を覚まし、顔を洗い、パンをかじる。それが朝の一日。…だが、今日は違った。目が覚めると…
「あっ♡勇気君、おはよう♪」
「………………なんで俺の家にいるの…?」
亜希菜が俺の家にいたのだ。俺は亜希菜に合鍵を渡していない…そもそも、家の場所を教えていない…どうして?なんでわかったんだ?てかどうやって入って来た!?
「朝ごはんできてるよ〜、さ、食べよう?」
「あぁ、分かっ─いや、待て待て待て。なんで家知ってんの?てか鍵は?どうやって入った!?」
俺は心の中で叫んだことを言葉に出して言う。
「え?そんなの普通に後をつけて、鍵は
…俺は呆れるどころか逆に感心してしまう。…どこが?それは─
「その悪びれもなく自白して平然としている所、感心するよ…」
「いやーん、照れちゃう///」
(いや、うん。褒めてはないんだけどなぁ…)
「じゃあ朝ごはんにしよう?」
「あぁ、うん…」
そして俺は亜希菜の作ってくれた朝ごはんを食べた。
料理はオムライスだった。オムライスにはケチャップで、『勇気君♡LOVE』と書かれていた。
* * *
オムライスを美味しく頂いた後、俺は制服に着替える。ちなみに亜希菜は、既に着替えていた。
着替えた後、戸締まりをして家を出る。
「そういえば、言い忘れてけど、オムライス美味かった。ありがとな。」
「うん///喜んでもらえて良かった♡」
家の場所をなぜ知っていたのか、気になったので俺は、聞いてみた。
「そういえば、なんで俺の家が分かったの?」
「それは、昨日別れたあとにこっそりついてったからです。」
「え、それストーカーって言うんじゃ…」
俺がそう言うと亜希菜は、それを否定した。
「違います。これは愛情表現です。好きな人の事は何でも知りたくてついてっただけじゃないですか!」
「…知ってるか?世間一般的にはソレをストーカーって言うんだよ?」
そんな会話をしていたらいつの間にか学校についていた。『じゃあ、また。』とか言えればどんなによかったのだろうか…
残念ながらそれは叶わなかった。なぜ?それは…
「あ、姫ちゃんおはよう。…?後ろにいるのって春咲?」
同じクラスだからだ。そして亜希菜はとんでもない爆弾発言をした。
「実は…私、勇気君と付き合うことになりました!」
「「「「「「「えぇぇぇぇぇえ!?」」」」」」」
(いや、なにバラしちゃってるの!?)
クラスメイトと一緒に叫んでいた。(俺は、心の中で、だが…)
そして俺の元へやってきた奴がいた。祐斗である。
「おい、勇気。話が違うじゃねぇか。どうなってんだ?」
「…実はだな…」
俺は昨日あった出来事をすべて話した。すると祐斗は恨めしそうな顔をして言う。
「俺は、罰ゲームだっていうからアドバイスしたのに…なんで付き合っちゃうんだよ!」
「い、いや…ヤンデレ!ヤンデレだから!」
「いいじゃねぇか。…究極の一途だぞ?クソ…おまえ…前に言ってたじゃんか。─おーい!みんな聞いてくれ!」
そう言うと、騒がしかったクラスが静かになる。そして祐斗は、スマホを取り出した。俺が首を傾げていると祐斗はニヤリ、と笑いスマホを操作した。その直後、聞き覚えがある声とともに痛いセリフが大音量で流れた。
『─彼女?ふっ…そんなもの永遠童貞の僕には必要ないね。』
「やめろぉぉぉお!!!」
そう、そのセリフは俺がかつて祐斗に言ったセリフだった。クラスメイトはそれを聞いて硬直している。
その静寂を最初に破った者がいた。…亜希菜である。
「勇気君…」
亜希菜は俺を憐れむような瞳で見た。
その憐れむような瞳で見ないでくれ!
「安心してください!もう永遠童貞じゃありません!私がいます!」
「「「「「「「はぁぁぁぁあ!?」」」」」」」
亜希菜の二度目の爆弾発言によりクラスは混乱していた。
朝の騒動から時間は立ち、昼休み。
俺が購買に行こうとすると亜希菜がそれを止めた。亜希菜の手には弁当箱が2個あった。一つは恐らく俺のだろう。
「勇気君のも作ってきたから一緒にお弁当食べよう?」
「ああ、分かった。」
断る理由もないので俺は、その提案を受け入れた。
だが、亜希菜はまた爆弾発言をするのだった。
それは食べている途中のときにおきた。
「そういえば勇気君。」
「?なんだ?」
唐突に亜希菜は話しだした。
「いつ、私とエ○チするんですか?」
「ブッ…!?」
その爆弾発言に俺は、思わず吹いてしまう。そしてクラスメイト全員こっちを見ていた。
「な、何、言ってんだ!?」
「だから、いつ私とエ○チするんですか?」
亜希菜の目は本気だった。だからこそ、俺は、逃げた。
椅子から立ち上がり、逃げようとした。しかし、亜希菜に、腕をガジリと掴まれる。
「ねぇ、どうして今逃げたんですか?私とエ○チ出来ない理由でもあるんですか?」
「い、いや、それは…」
「『それは』なんですか?…もしかして他の女ですか?…」
声のトーンが一段と下がり、俺は思わず息を呑む。
「…違う。まだ出来ない、かな…ほら家とかの関係もあるし。もし、ヤッたりして遅くなったら親にも心配されるだろうし。」
「勇気君…!」
(よ、良し!なんとか大丈夫みたいだな…)
と、思っていた…。
「安心してください。明日から勇気君と同棲するので。どうせ私、一人暮らしですし。」
「な…」
俺は絶句した。同棲って…もう、逃げられない。俺は、亜希菜と、ヤルしかないのか?
てか、付き合って2日目でなんでこんな事になるんだよ!普通じゃないだろ!…って、そりゃそうか…亜希菜は…普通じゃなかった…。
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