2章 不器用な生き方しかできないんだ
幼少期いじめられた経験と承認欲と
会社で仕事をしているとありもしない考えにとらわれる。会社のみんなから嫌われて陰口を言われているのではという妄想である。自分の障がいの統合失調症の妄想は学生時代のいじめにだいぶ影響を受けていると思う。
小学生時代、中学生時代は学校の生徒だけではなく、学校の先生、PTAの親にまでいじめられた。大人になって母親に話を聞くと、親同士のいじめにもあったらしい。子供会の催しに行ったら、ある親御さんから何で来たんですか? あなたの居場所はないですと言われたみたいである。地域からも孤立していた。完全無視されていた。僕が変人過ぎて学校でいじめられていたのと同様に地域から家族も異物扱いされて邪魔者扱いされていたらしい。
小学生時代のある一日である。いつもの教室だ。先生がチョークで黒板にいろいろと書いている。僕の隣の席はない。常に一人である。よくテレビなどで青春物などを見ると隣の席の女子と恋に落ちるとかそういう話も読んだりする。しかし、僕の話に限って言えばそんなものは幻想だった。
「それじゃあ、席替えするぞ! わかったか?」
「はーい」
先生が黒板にランダムに番号を書いていく。そして先生が鉛筆で1、2、3など生徒数の数だけ書いた紙を折りたたんで箱の中に入れる。
「それじゃあ、一人ずつ紙を取っていってね」
生徒が次々にくじを引いていく。そしてそれぞれに、きゃっきゃっ、わーわー、と声を上げる。僕はくじだけを引いて口をぎゅっと結んで立っている。ちなみに歯もくいしばっている。歯を食いしばりすぎて歯肉がじんじんと痛い。
それぞれに席を動かしていく。僕も席を動かす。一番後ろの席だった。しばらくするとある女子が机をがたがたと鳴らしてやってきた。女子が叫ぶ。
「蒼ノ山、もしかしてここ?」
「そうだけど」
するとその女子は大声で叫ぶ。
「先生、私目が見えないので前に行きたいです」
先生は、
「文句言うなよ」
「ここにいたら、蒼ノ山菌が移ります。私絶対ここ嫌です」
それからその女子が散々僕に悪態をつく。
先生は、それじゃあと言って、
「青ノ山、また一人でいいか?」
「はい・・・・・・」
その女子は前の席に移っていった。小学生時代、中学生時代は僕の隣の席は常に開いていた。気持ち悪がられて近寄っても話しかけてもくれなかった。たまに話すと
「おまえ、気持ち悪い」
だった。
話は中学生時代に飛ぶ。相変わらず嫌われて気持ち悪がられていた。授業中に消しゴムがころころと転がってきた。思わず拾う。その時叫び声が聞こえた。
「触るな!」
消しゴムを拾うと、今度は、
「触っちゃった。汚えなあ。蒼ノ山菌が繁殖しちゃう」
消しゴムを落とした主はクラスでも人気の女子である。さらさらとした黒髪にぱっちりとした目。はっきりいってかわいかった。先生たちにも評判がよい。でも性格の悪さは知っていた。僕が人間扱いされていないので自分のいる前では散々人の悪口などを言っていた。周りも僕が消しゴムを拾ったことに気づき、それぞれに騒ぎ立てる。
「汚え、汚え、汚え」
「豚ちゃん、お前それ何に使うの?」
周りからヤジが飛んでくる。先生もいじめを止めるでも無くにやにやしてその様子を観察している。
「おい、豚! その消しゴム汚いから捨てるからゴミ箱入れてくれない。今ここで! その消しゴム変なことに使われたら嫌だし」
もじもじしていると、
「さっさと捨てろよ。豚貧民!」
この豚貧民って言葉は、僕がもともと豚と呼ばれていたこと。それに大貧民大富豪を無理矢理賭け事でやらされて1000円位巻き上げられてそれから大富豪大貧民の大貧民という単語をとって、豚貧民とも呼ばれるようになった。
立ち上がって消しゴムをゴミ箱に捨てた。そしてそのまま悲しくなってしまいそのまま教室から出てトイレの個室にたてこもった。
班決めと言って好きな人同士6人くらいで班を作るのだが、いつも最後まで残っていた。そして自分を押しつけられた班の女子は「マジ最悪なんだけど」とかだいたい嘆いていた。修学旅行の時も班行動しなければいけなかったのだが、お前一人で行動しろと言われて一人で行動していた。修学旅行は京都に行ったのだが、夕食を食べさせてもらえないとか、いじめっ子に寝ている間に髪を金色に染められ、朝になって水道水で泣きながら染めた髪を洗い流したりした。本当に生きた心地がしなかった。 いじめっ子に学校の帰り道でも待ち伏せされてえんえんと愚痴を聞かされたり、犯罪者じゃないのに背中に犯罪者と書かれた紙を貼られたりした。暗黒の学生時代だった。
これがいつもの小学校、中学校時代の日常だった。女の人が苦手になったのは学生時代にさんざんいじめられてトラウマになったからだと思う。
中学時代には、高校受験というイベントが自分にはあったが頑張った。塾で十分に受かると言われたところを中学校の進路調査で書いたところ、親と共に呼び出された。
「お前、何考えている? お前の頭じゃこんな所うかるはずないじゃん。ここは一流の人がいくところだよ」
今度は母親の方に向き、
「お母さん、お金をドブに捨てるって意味分かります?」
と散々嫌みを言われた。ちなみに内申はオール3もなかった。主要五教科はまあ3だったが、副教科はオール2だった。体育に関しては受験で大切な時期なのに1をつけられた。中間試験、期末試験では結構良い成績をとっているのに、先生に嫌われているというだけで成績表はがたがただった。先生の言うとおりの所を受けたならばすごく荒れている高校にいかされそうになった。そこで、
「先生の言葉を信じていないので、勝手に受験します」
先生は、がたっと立ち上がって、
「ご勝手に。泣きわめくのはお前たちだからな!」
結果、高校入学試験は成功した。第一志望校、滑り止め全部合格した。中学の先生に合格したことを伝えると、学校から家に電話があった。
「本当に合格したのですか?」
「しました」
「じゃあ、証明するものを持ってきてください」
先生に合格通知を見せる。先生の顔は真っ青になった。歯をかみしめていた。嫌みを込めて先生に、
「今までお世話になりました」
と言ったら、
「お前のお世話なんかしていない」
と言われた。
次の日からいじめはおさまった。今まで主犯格で僕のことをいじめていた生徒が急に態度を優しくしてくれた。誰がどこの学校に合格したかを毎年貼り出していたのだが、この年に限っては貼り出されなかった。第一志望の高校に受かり先生のプライドをへし折ったのである。気持ちよかった。
高校受験で成功して第一志望の高校に入り、いじめていた周りの人やPTAの大人たち、いろいろと痛みを知っているはずなのに一緒になって自分をいじめていたいい年をした中学の先生達を含めて手のひらを返すように優しくなった。
内心、世の中因果応報で巡っているから俺にしたことが全部お前に返ったのだよ、ざまあみろと思った。
そしてその中学時代の先生に対して今思うことは学校でトラブルが起こった時点できちんとみんなで話し合いたかった。何が悪いのかも分からないままいじめられていた。僕は発達障害を持っているから人の傷つくことはいっぱい言うと思うし、実際に言っていた。悪口、陰口を散々にいっていたことである。もしいじめられたとしても悪口や陰口を言わないで、自分のことをいじめていた本人に直接嫌なことは嫌だと伝えられていたらもしかしたら変わっていたかもと思ったりもした。しかし、学校全体できちんといじめと向き合い、みんなで話し合っていればこんなにこじれなかったとも思う。僕はきちんと話し合いたかった。自分をきちんと見つめ直したかった。
それと同時に人間をそんなに信用してはいけないことを学んだ。他人に評価を求めていてはどん底に落とされるから、自分で自分を信じてあげて自分で自分の評価をしなくてはと子供ながらに思った。とにかく女子にゴミ扱いされていた青春時代だった。それからは女性を見ると、震え上がるようになってしまった。あと小中学生を見るとおびえるようになってしまった。
それからは女性や子供の後ろを歩くと気持ち悪い人がいたと写真に撮られたりとか怖くなったり不審者と間違われて通報されないかとかびくびくするようになってしまった。
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