欲
バブみ道日丿宮組
お題:宿命の深夜 制限時間:15分
欲
徹夜というのは効率良くない。
そもそも睡眠時間を削って作業を行うなど生き物としておかしい。
というわけで、この会社はおかしい。いや、徹夜というか違う意味で狂ってる。
「ぬぬぬ」
まず1つになんでベッドルームなんてものが会社にあるんだ。帰す気が最初からないだろう。ここで生活させる気があるように思えるぞ?
入社前はこんな説明なんてなかったしな……まぁあったらあったで絶対入社を決めないだろうが。
「はぁ」
そして2つ目に気持ちいい体験が深夜に訪れるということだ。
そんな毎日があるなら欲望要求としてはいいかもしれない。
まさかベッドルームが睡眠用ではなく性欲用だなんて誰も思わないだろうし。いや……それ以外にある必要があるのか? ここはラブホテルじゃないし、会社の施設だぞ?
「では、仕事に戻ってください」
「……わかりました」
何回もイかしたはずの女性社員は何事もなかったように素面。手慣れてる感がつよい。
「……」
ベッドルームを出る前に肩越しに振り返れば、下着をつけて自分の仕事へと戻ろうとしてた。仕事熱心なのはいいことだろうが、これで果たして効率はあがるのだろうか。
眠らないで性欲で気分を向上させる。
まったく社長は何を言ってるのかよくわからない。
いい女、いい男は確かにいるし、既婚者もいる。そんな中でこんな社内ルールが運用されてるなんて不可解だ。
だが……業績が上がり続けてるのも事実。
だからこそ、入社を決めたわけだが……。
「はぁ……」
もう何日寝てないか覚えてない。
それだけ性欲が睡魔を上書きしてる。
行為前に飲むドリンク剤が原因じゃないかと何度か考えたことはあったが、疲れた状態でベッドルームに入ると飲むという選択肢しか浮かばない。
あとはもうなるようになれで、行為をするわけだ。
これを社会的に復旧すれば眠らない街ができあがるんじゃないかという考えがよぎったがないな。学生なんかはコンドームすらつけずに妊娠させる事案が起こらないとも限らない。
そういうことを考えてみると、よくもまぁ妊娠する社員がいないものだな。もしかすると徹夜し続けてるとそういう遺伝子が死滅するのか? だとすれば学生でも問題ないことになるな。
ただ……欲望だらけの学生たちがただの猿になるのは目に見えてる。
ならば、やはりこの会社内だけで行うべきだろう。
それに……美味しい思いをするのはしんどい作業をした社員にこそ振る舞われるべきことだ。たんたんと授業を受けてる学生たちや、他の企業にやらせたくない。
そう結局は、欲望が全てってことだ。
欲 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます