判断 (Dis-Decision)
自分を貶めるように
君はこの世をも侮辱する
詩の言葉はすり抜けて
言い訳の語彙だけ増えてく
そうやって自己愛は伝染るんです
同じような奴らとつるんで
似たものばかり集めてる
でも君の顔にだけは似ない
耳の穴に指を突っ込んで
それで何も聞こえなくしたつもりなの?
じゃあその指をイヤホンに変えよう
流れ込んでくる未知の怒涛
音楽で君の血液を凍らせよう
それは燃えるように暖かいだろう
液体になった君の鼓動を
掬い上げて何ができるかを 自分で
判断しよう 判断しよう
逃げた
追いかけるよ 押しつぶすよ
問答無用 君が踏みにじったものが
いま頭から降り注ぐよ
あるところに、自分の右手を、それはもう深く深く愛してしまった人がいました。
「この手が衰えてしわしわになったらいやだなあ。」
そう思った人は、ゴム管で右手首をぎちぎちに縛ってしまいました。
お望みどおり右手の時間は止まりましたが、血流も止まり、
やがて腐りはじめても、その人はゴム管を解こうとはしませんでした。
結局腐り果てた右手は切除されましたが、手術を終えたその人は、まんまるになった右手首の先を見て、心底安らいだように言いました。
「ああ、これでもう右手の心配をしなくていい」、と。
文字通り宝の持ち腐れ 自分の顔だけ撫で回して
指紋さえ消えたその指を またどっかの穴に突っ込んでは
掘り出した何かを飲み込んで いっときは効くがすぐに切れて
また自分以外のせいにして新しいクスリを探しに行く君はもはや何も
判断できない模様 怒りさえも自分の
ものでないの? 糸無し操り人形の価値をこちらで
判断しよう 君が生きてるというのが ただの 間違いだよ
そもそも君は一度も 産まれたことがなかったよ
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