第22話

私には親心は分んないなと思った。自分の為に行きたいと思うし、それすら曖昧な私には誰かのためという気持ちは難しい。




 家族皆でご飯を食べながら私は今度はパパにバイトする事を伝えた。反対されるかなとも思ったけど、パパはただ一言「がんばれ」そう言ってくれた。




 こんなにすんなりいくならテストを頑張った意味が無いじゃんと思ったけどテストの点が良くて困ることもないと思い直した。また頑張るかは別として。




 私はこの時にはバイトに対しての変な気負いとかごちゃごちゃ考えるのを止めてただ頑張ろうと思えた。




 だからポロッと夏休みに京都に行くと話してしまった。バイトが良いなら良いでしょみたいな感じで言ったら、




「誰と行くの」




「何泊するのか」




「小まめに連絡入れなさい」




「一人?駄目よ、貴女女の子なのよ」




「紗良ちゃんを誘ったらどうだ」




「私も一緒に行くわ」




「過保護か」




「心配しても仕切れない」




 きりが無かった。心配してくれるのはありがたいけどそれで自由を奪われたらたまったもんじゃ無い。




 折衷案として今回はお姉ちゃんと行くことが決定した。




 どうせならキャンプしようと言い出してあれこれ準備し始める始末。妙に生き生きとしてるお姉ちゃんに止めてとは言えない私であった。

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