第10話

普段おとなしめのキャラで通ってるユッキーこと北城結喜のハイテンションは放課後教室に残っていたクラスメート達が何事だと言わんばかりに全員が全員会話を止め結喜の後ろ姿を見届けていた。




この行動でギャップが可愛いとかでファンが大勢出来たのだがそれは本人のあずかり知らぬことだった。








 私の家から学校はそう遠くはない。自転車で十五分程度。途中になにかえげつない角度の差かがあるわけでもやたらと信号があるわけでもない。なので帰路につく間の十五分、私は頭の中で考え事をしていた。




 さっき京都にでも行こうと行ったが、そもそもここ岐阜県から片道でいくらくらいかかるのだろう。行く時期は夏休みとしても残り約二ヶ月とちょっと。今からバイトをしたとして果たして軍資金を集めることはできるのだろうか。




 ああ、少し考えただけでもやらなきゃいけないノルマが次から次へと沸いてくる。辞めようかと考えが一瞬だけよぎる。結局私は口だけなのかな。そんなネガティブ思考の私を笑うかのように今日はやけに風が吹く。




 家に帰り調べごとができるような気持ちではとっくになくなっでしまっていた。それでも私は思考を止めてでもペダルをこぎ続けている。まるで選択しなければならないときに時は止まらないと案じさせるように。




 さっきまでのテンションどこ行った。私。流石に情緒不安定すぎるぞ、私。

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