第7話
それは、生きるために、私が選んだ自分にできるたった一つの道だった。自分がどうすることもできない窮地に陥った時、死のうか生きようかと考えることも多分、あるのではないだろうか。1度だけ若い頃、私は死のうとしたことがある。結婚して二番目の子を授かった頃だった。夫とは、見合い結婚だったが、しばらくもしないうちに、休みの日にもかかわらず帰宅しない日が続くようになった。私は何故だかわからなかった。どこへ行くとも何があるとも言わず、気が付いたら居なくなっていた。ある夜、私は勇気を出して、職場の夜勤の人に電話を入れて、夫が帰って来ないこと、どこへ行ったかわからないことを告げて、何か知らないか尋ねて見た。するとその人は[そらあ、心配ですなあ。新妻を放っポリ出して、いかんですなあ。]と言って、心あたりを聞いてくれて、ようやく夫の居場所がわかったことがあった。そこへ電話を入れて、夫が来ていないか尋ねると、そこに夫がいて麻雀をしていると言った。麻雀!!!... それは私が思ってもみないことだった。
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