第14話 レベル上げは大変だ
少し……結構黒かったが少し焦げた朝ごはんを食べ終え、草原へと移動する。
移動中に発見したスライムを一匹倒し、何も問題なく草原へとたどり着いた。
「昨日はあそこにデカいウサギがいたけど、リポップはしてないな。まぁ、まだ24時間経ってないから分からないけど。」
デカいウサギを探して草原を歩いていく。
小さい、いたって普通の兎ならたまに見かけるのだが、少し近づいただけですぐに隠れてしまう。
小さな兎を追いかけようとは思えなかった……理由はもちろん可愛いから。
「デカいウサギみたいに敵意むき出しで襲ってきたら躊躇なく倒そうと思うんだけどね……あんな風に……。」
少し遠くにデカいウサギを発見したが、向こうからダッシュで近づいてくるのだ。
最初は槍を試してみようと、こん棒は置いておく。
デカいウサギはダッシュして来た勢いのまま突進して来た。
普通に横に避け、ウサギとの間合いを確認する。
勢いが強く止まれなかったのか少し距離があったので、少し近づいて次の突進を待つ。
頭になら槍も届きそうだが、頭蓋骨は硬いので木の槍じゃ不安だったのだ。
ウサギは走るというより、ピョンと飛ぶように突進してきた。
軽くサイドステップするように躱し、ウサギの側面から体のほぼ中心へ槍を突き込んだ。
問題なく刺さった。
ウサギが叫び声を上げるように鳴いている。
すぐに槍を抜くことはせず、捻るようにもっと奥まで押し込もうと力を入れる。
ウサギは手足を激しくバタつかせて抵抗するが、捻った槍の角度が良かったのか、意外と抜けない。
次第にウサギの動きが鈍くなり、数分後には動かなくなった。
「地味に時間かかったなぁ。狩りとしてはやっぱり即死した方が効率がいいんだけど、即死となると心臓か首の骨狙いになるんだよな。」
ポケットから石のナイフを取り出し腹を開く。
核は心臓近く、両肺の間にあった。
さっそく砕く。
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Lv.4(40%)
・HP(体力):13/13
・MP(魔力):10/10
・STR(筋力):13
・MAG(超感覚):10
・SEN(器用さ):13
・COG(認識力):10
・INT(知力):10
・LUC(運):10
SP.0
スキル
・ステータス割り振り
____________
来る途中で一匹スライムを倒し、経験値が10%だったので、Lv.4ではウサギ一匹で30%増えるみたいだ。
「あとデカいウサギを二匹倒せばレベルアップだな。」
やはりデカいウサギの経験値は多い。
「ウサギの死体はどうするかなぁ……。」
口元や突き刺した穴から血があふれ出ていて、なかなかにグロい。
(ゲームみたいにインベントリとか重さ大きさ関係なく入るバッグとかあれば、レベル上げ以外の大体の問題が解決するんだけどな~。)
そんなことを考えていると、後方に何かが走って来たような気配を感じた。
急いで振り返るとそこには一匹の大きな狼がいた。
「この大きさだと犬じゃなくて狼かな?可愛いけどめっちゃ威嚇してるじゃん牙怖いわ~。」
余裕そうなセリフだが、内心は非常に焦っていた。
犬には鋭い牙と爪があり、移動速度も速い。
まともに戦えば勝っても負けても負傷する可能性が非常に高いのだ。
「威嚇はしてるけど、もしかしてウサギ肉狙いか?ウサギ肉狙いなら別に持って行っても構わないのだけど……。」
ゆっくりと後ろに下がり、自分と狼との間にウサギ肉が来るように移動する。
「ウ”ゥ”ゥ”ゥ”ゥ”!」
ウサギ肉狙いではないようだ。
明らかにこちらを意識している。
とりあえず半身になって槍の先を狼に向けるように構える。
「飛び掛かろうと沈み込んだところを上から突き刺す。」
自分に言い聞かせるように言葉にする。
逃げ出したいが、逃げられない以上戦うしかないのだ。
気持ちを高ぶらせ、今までとは逆にすり足で足一つ分近づく。
すると距離が近いからか、それともウサギの血の臭いに引き付けられたのか、狼が棒の先の臭いを嗅ぎ始めた。
迷わなかった。
全力で一歩を踏み出し、まっすぐに槍を突き出した。
突き出した槍は顎の下から喉へ深々と突き刺さった。
狼はすぐに力を失い、二度と起き上がることはなかった。
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