第13話 新生活ってやること多くてホントに大変なんだね
気がついたら朝日が昇っていた。
二度寝から覚め、硬くなった体を伸ばすようにストレッチしながら今後のことを考える。
「川沿いを海にぶつかるまで下っていって、そこから東に海岸沿いを移動するとして、やっぱり必要なのは荷物の運搬方法だよな。」
最低でも食料と水をある程度運べないと途中で力尽きるだろう。
食事に関しては一週間程度なら残ったウサギ肉で凌ぐことが出来るかもしれないが、川から離れ海沿いを移動している最中は水の補給ができなくなる可能性がある。
水を飲めなければすぐに動けなくなるので、何とか方法を考えるべきだ。
「と言っても水漏れのない袋とか絶望的だし、木をくり抜いて樽を用意しても重さで移動もままならないだろし……。」
台車でも作るべきだろうか?
今はまだ無理だが、Lvを上げてステータスのほとんどを器用さ、少しだけ筋力にも振れば作れそうな気がする。
「となるとやっぱりレベル上げだな。昨日はいろいろと目移りしちゃって捗らなかったし、今日はレベル上げに絞って行動しよう。」
まだLv.4だが、スライムでは経験値が少ない気がする。
ここはウサギ狙いで草原に行こうかな?
ストレッチを止め、まだ火種がくすぶっている焚き火跡に木を追加して火を大きくする。
「ウサギ肉はまだまだあるなぁ。そういえば干し肉と燻製肉はいつ作るかな……。」
本当にやることが山積みである。
ウサギ肉を串に刺す大きさに切り分けながら、効率よくウサギを倒す方法を考える。
「一応槍として使ってみて、刺さるなら横から首か足の付け根を狙ってみよう。」
FPSで動物を狩猟するゲームをやっていたことがあるので、大雑把に骨格や肺の位置を知っているのだ。
剥製にするゲームだったので捌き方は知らないが……。
肺や内臓に槍が突き刺されば、即死はしなくともいずれは死ぬだろう。
「問題は槍が刺さらなかった場合だよなぁ。やっぱ鈍器として使える武器も必要だな。」
こん棒になりそうな木でも探してみるかな?
ある程度の長さでしっかりとした重ささえあれば、握るところさえ加工すればこん棒として使えるよね?
串に刺したウサギ肉を火の近くに並べ、近くにある木を確かめてみたところ、少し長いが、いい重さの木を見つけることが出来た。
さすがにそのままだと太くて握りにくいので、石で持ち手をゴリゴリ削る。
あまり細くし過ぎても折れる可能性があるので、途中からは慎重に削っていった。
いい感じに少しグリップが太めの野球のバットもどきが完成した頃、ウサギ肉は少し焦げていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます