第8話 刃物が欲しい、切実に。

のんびりと座り込んで30分程が過ぎ、すこし体力も回復した気がした。

____________


Lv.2(80%)

・HP(体力):6/10

・MP(魔力):10/10

・STR(筋力):12

・MAG(超感覚):10

・SEN(器用さ):10

・COG(認識力):10

・INT(知力):10

・LUC(運):10

SP.0


スキル

・ステータス割り振り

____________


回復していた。

体力は時間と共にちゃんと回復するようだ。


「とりあえずウサギを倒しちゃったし、ちゃんと解体して今夜のご飯にしよう。解体は見たこともやったことないんだけど……。」


その時気づく、最初の血抜きをしようにも刃物を持っていない。

皮を剥ぎ、肉を切ろうにも刃物を持っていない。

というか刃物持ってればウサギを倒すのも、もう少し楽だったんじゃ?


「少し戻って川辺で刃物に出来そうな石を探すか……。」


硬めの石どうしをぶつけて、鋭利な割れ方をした方を磨いて砥げばナイフの代わりとして使えるだろ……使えるといいなぁ。

ゾンビがでてくるクラフトゲームだと、最初のナイフは骨のナイフだったなぁ……。

そんなことを考えながら移動しているが、肩に担いでいるウサギが重い。

何キロあるんだこいつ。


「あ、またウサギ……今度は小さいな。」


またウサギを見つけてしまった。

少し距離はあるが、明らかに担いでいるこいつと比べると小さい。

どこからどう見ても普通のウサギだ。

可愛い。

ウサギもこちらの気づいたのか目が合う。

そして全力で逃げて行ってしまった。


「逃げたな。全部のウサギが襲って来るわけじゃないのか。それともこいつが特別なウサギだったのか……。おかしいくらいデカいし特別だったのかもしれないなぁ。」


そうして歩くこと20分。

やっとの思いで河原まで戻って来ることが出来た。

流石に重いウサギを抱えての移動だったので、疲れて座り込む。

座ったままその辺に落ちている石を物色するのだった。


「どんな石がいいのかな?表面がツルツルしてる感じで、裂けるように割れる石だったかな?」


当たり前だが石でナイフを作った経験などないので、完全に手探り状態である。

近くにある石を片っ端から拾い、石どうしをぶつけてみる。


「あ、これかな?」


他の石とは違う割れ方をした石があった。

白地に黒い模様が入った石だったが、壊れた面は真っ黒い色をしていた。


「黒曜石か、思い出した思い出した。鏃とかに使ってたんだっけ?」


使えそうな石も見つけたので、いろんな角度から慎重に石をぶつけ、出来るだけナイフの形に近づけていく。

と言っても持つところも必要なので刃渡り3cmくらいにしかならないが……。

30分程の時間をかけある程度の形になったところで、刃に当たる部分を石で削るように研磨していく。途中スライムが一匹通りかかったので、サクッと倒した。


「あ、レベルアップだ。」

____________


Lv.3(0%)

・HP(体力):5/10

・MP(魔力):10/10

・STR(筋力):12

・MAG(超感覚):10

・SEN(器用さ):10

・COG(認識力):10

・INT(知力):10

・LUC(運):10

SP.3


スキル

・ステータス割り振り

____________


Lv.3で貰えたSPは3のようだが、HPが5に減っている方が気になる。

ウサギは重かったからしょうがないが……。

とりあえずHPに2振って、気になったのでSEN(器用さ)に1振ってみる。

____________


Lv.3(0%)

・HP(体力):5/12

・MP(魔力):10/10

・STR(筋力):12

・MAG(超感覚):10

・SEN(器用さ):11

・COG(認識力):10

・INT(知力):10

・LUC(運):10

SP.0


スキル

・ステータス割り振り

____________


「HPはレベルアップでも回復しなかったし、ステータスをあげても回復しないのか。即時回復がないならレベリングのペース配分が重要になってくるなぁ。」


そんなことを考えながら1上がったら器用さを確かめるため、黒曜石を磨く作業に戻るのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る